東京電力福島第一原発事故から約7キロのJR常磐線夜ノ森駅周辺(福島県富岡町)には、いまだ許可なく立ち入れない帰還困難区域が広がる。早期に避難指示を解除する「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)の整備に向け、本格除染が今月から始まった。双葉、大熊、浪江の3町でも同様の試みが始まっている。
夜ノ森駅前には住宅街が広がり、帰還困難区域の面積は富岡町の1割強なのに、約3割の住民が暮らしていた。
今後5年で除染などをし、まずは復興拠点内は住めるようにし、10年内には町内全域での避難指示解除を目指す。ただ、放射線量は避難指示が解除された地域も含めて高く、人口も原発事故前の5%ほど。先行きは見通せない。 (山川剛史)