原発防災圏30キロ 対策拠点全て区域内 全国16カ所 125億円投入 配置見直し必至

 原発事故が起きた時の対策拠点として、国が約百二十五億円かけて全国十六カ所に建設したオフサイトセンター(OFC)の多くが、原発から近すぎるとして見直しを迫られることが分かった。国は重点的に対策を進める区域を、従来の原発から半径八~十キロ圏を三十キロ圏に拡大するが、全てのOFCが新しい円内に入る。特に十キロ未満にある十一カ所は実際の事故発生時には使えない可能性が高く、見直しは必至。巨費が無駄になる可能性が高くなった。

実際の事故では、想定より汚染が広範囲だった

 国の原子力安全委員会の作業部会は一日、事故の影響が広範囲に及んだ教訓から、従来の防災対策の重点地域では狭いとし、三十キロ圏を「緊急防護措置区域(UPZ)」とすることで合意。五キロ圏は、直ちに避難する「予防防護措置区域(PAZ)」とした。
 変更後は、全てのOFCがUPZ内に位置することになり、住民が避難して不在になるような場所で住民のケアをするという矛盾した状況が生まれる。このため作業部会は今後、OFCの立地や機能などの在り方を協議し、年度内に見直し方針をまとめる予定だ。
 警察、消防を含めた行政関係も速やかな避難を迫られるPAZ内には、泊(北海道)や浜岡(静岡県)、伊方(愛媛県)などのOFCが位置する。OFCが使えない場合の代替となる県有施設なども、福島第二原発を除き、すべてUPZの中に含まれる。
 作業部会で主査を務める本間俊充・日本原子力研究開発機構安全研究センター長は、放射性物質の拡散などを考慮すれば、OFCは少なくとも半径十キロ圏より外に置く必要があるとの認識を示している。
 OFCは一九九九年九月の燃料加工工場「JCO」(茨城県東海村)の臨界事故をきっかけに整備が始まった。事故時に国や自治体などの担当者が集まり事故対応の拠点となるはずだったが、福島第一原発事故では原発から約五キロのOFCが震災で停電。放射性物質の防護も不十分で、結局は約六十キロ離れた福島県庁に移された。

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