2045年にどこへ?原発事故で発生した汚染土 福島・中間貯蔵施設の現在地

 東京電力福島第一原発事故に伴う除染で発生した汚染された除去土壌などは、原発に隣接する中間貯蔵施設に一時保管されている。帰還困難区域外の除染はおおむね終わり、帰還困難区域内で今春以降に避難指示が解除される見通しの特定復興再生拠点区域(復興拠点)での除染も進む。しかし、復興拠点外の帰還困難区域の除染は具体策がなく、汚染土の福島県外への搬出も議論が進まない。事故から11年がたっても、放射能汚染によるごみ問題は解決への道筋が見えないままだ。(小野沢健太、小川慎一)

福島第一原発を囲むようにして汚染土を一時保管する中間貯蔵施設が広がる=福島県大熊町で(2022年1月25日、本社ヘリ「おおづる」から伊藤遼撮影)

福島県52市町村から約1300万袋

 事故で原発から放出した放射性物質は、福島県内など広い地域の土地や建物を汚染した。各自治体では除染が進み、その際に出た土など廃棄物はフレコンバッグ(土のう袋、1袋で1立方メートル)に入れられて集約され、福島第一周辺に造られた中間貯蔵施設への搬入が2015年度から始まった。その総量は2022年7月31日時点で、福島全59市町村のうち52市町村から約1322万立方メートルに上る。

汚染ごみの総量は見通せず

 環境省によると、帰還困難区域以外の地域の除染で発生した汚染土は1400万立方メートルとされ、東京ドーム11杯分という膨大な量と見込まれている。それらは22年3月までに中間貯蔵施設への搬入が終わる予定。福島県7市町村に残る帰還困難区域には、南相馬市を除く6市町村に先行して除染を進める「特定復興再生拠点区域(復興拠点)」が指定されている。復興拠点の除染では160万~200万立方メートルの汚染土が出ると試算されている。

 これに加えて、復興拠点外の帰還困難区域についても、政府は21年8月に帰還を希望する人の求めに応じて自宅などを個別に除染して、避難指示を解除する方針を決定。24年度から除染が始まる予定だが、どれぐらいの汚染土が出るかは見通しが立っていない。環境省は「搬入状況を見ながら用地取得や貯蔵施設の整備を進める。搬入可能な上限量は分からない」としている。

福島県外への搬出は不透明

 中間貯蔵施設での保管は、その名前の通り最終処分のための「一時的」なものとされている。政府は保管を始めた2015年から30年後の2045年には汚染土を福島県外の最終処分場に搬出することを約束している。ただ、原発事故で汚染されたごみを受け入れる自治体があるのかは分からず、候補地は未定だ。

 また、保管している汚染土が含む放射性物質は現状で、保管総量の4分の3で、1キロ当たりの放射性セシウム濃度が8000ベクレル以下となっている。これは通常の焼却、埋め立て処分ができる基準をクリアしており、政府は8000ベクレル以下の汚染土を道路工事などの公共工事で再利用することを計画。だが、汚染土の利用については住民の反対が強く、実用化に向けた取り組みは難航している。環境省は「技術開発や関係者の理解を得る取り組みを続ける」としている。

 グラフは浜通り、中通り、会津の地域別の搬出量と推移を見ることができます。

中間貯蔵施設とは?

福島第一原発周辺にあり、全体面積は1600ヘクタール。約8割を占める民有地のうち、93%を国が取得済み。帰還困難区域以外で発生した汚染土の搬入は、2022年度中に完了する見込み。

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