「これで改善できるのか」規制委員長が東電を批判 柏崎刈羽原発のテロ対策不備を巡る報告書巡り

 原子力規制委員会の更田(ふけた)豊志委員長は29日の記者会見で、東京電力が柏崎刈羽原発(新潟県)のテロ対策不備の原因分析と改善策をまとめた報告書について「具体性が読み取れず、これで本当に改善できるのか分からない」と述べ、東電の姿勢を批判した。
 柏崎刈羽原発では2015年ごろから、侵入検知装置が多数故障し、監視カメラなどによる代わりの対応も不十分な状況が常態化。東電は22日公表の報告書で、テロの脅威について現場担当者の理解が足りず、発電所長や本社側も実態を把握していなかったなどの問題点を挙げた。
 更田委員長は「世界最大級の原発でテロ対策が重視されてしかるべきなのに、どうして軽視されたのか。他の発電所に比べ、経営層の関与や意識が低すぎた」と話した。
 この日の規制委の定例会合でも東電の報告書に批判が相次いだ。田中知(さとる)委員は「表面的で踏み込んだ検証がされていない」、山中伸介委員も「第三者委員会の検証内容が十分に反映されていない」と指摘した。
 規制委は報告書が妥当かを確かめるため、東電の追加検査に1年前後かける。「自律的な改善が見込める状態」と判断するまで、4月に出した事実上の運転禁止命令を解除しない。
 柏崎刈羽は1~7号機があり、総出力は820万キロワットと世界最大規模の原発。6、7号機は再稼働に必要な新規制基準に適合している。(小野沢健太)

関連記事