「リスク認識弱く、実態把握も不十分」 東電社長減給、原発責任者らトップ「更迭」 柏崎刈羽原発テロ対策不備問題

 東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロ対策の不備が相次いだ問題で、東電は22日、小早川智明社長を減給30%、3カ月の処分とし、原子力部門の責任者と原発所長を事実上更迭した。経営再建の柱とする柏崎刈羽原発の再稼働が、原子力規制委員会による事実上の運転禁止命令で全く見通せない中、経営トップらの処分に踏み切った。(小川慎一)

東京電力本社=東京都千代田区内幸町で

報告書に「リスク認識も実態把握も不十分」

 牧野茂徳原子力・立地本部長は、減給処分を受けた上30日付で辞任し、本人の申し出で取締役も退く。石井武生原発所長も同日付で退任する。

 東電はこの日、規制委に原因分析と改善計画をまとめた報告書を提出。3月からの6カ月間の調査で「核物質防護のリスク認識が弱く、現場の実態把握も不十分だった」と結論付けた。

小早川社長、辞任は否定

 小早川社長は記者会見で「原子力部門の組織に問題がある。抜本的に変えるために所長をサポートしていく」として自身の辞任を否定した。

 柏崎刈羽では2020年3月以降、侵入検知装置が多数故障し、代わりの対応も不十分で不正な侵入を検知できない状態が最長で1年近く続いていた。20年9月には、男性社員が同僚のIDカードを無断使用して、原発の心臓部である中央制御室に不正入室した。

 規制委は今後報告書の内容を確認し、本格的な検査計画をつくる。検査は1年以上かかる見通しで、「自律的な改善が見込める状態」と判断するまで運転禁止を解除しない。

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