ふくしまの10年 雪が落とした災い ⑥水や原乳が汚染 集団で避難

村内の子どもたちに実施された表面汚染検査(スクリーニング)(豊田直巳さん提供)

 2011年3月15日からの雨や雪で放射能汚染が村全体に広がった飯舘村では、1週間もしないうちに、簡易水道の水や、重要な産物である原乳から基準値(当時の暫定基準は300ベクレル/キログラム)を大幅に上回る放射性ヨウ素が検出されるなど実害が出てきた。
 村は水道水だけでなく、井戸水や沢水も含め飲まないよう呼び掛けるとともに、職員が各戸にペットボトル入りの水を1人当たり10リットルを配達するなど対応に追われた。
 首都圏などに自家用車で避難する村民もいたほか、移動手段はないが避難したい村民もおり、村は国の避難指示に基づかない「集団自主避難」を計画。19、20両日、村外から受け入れた避難者も含め計509人を、自衛隊のバスと村のスクールバスで栃木県鹿沼市の鹿沼総合体育館に避難させた。
 緊張が高まる中、県は22、23両日に村民1330人に表面汚染検査を実施し、全員「異常なし」と判定された。
 さらに29、30両日には、15歳未満の子どもを対象とした簡易の甲状腺検査も実施された。頭や手などの表面汚染をチェックした後、役場内で最も放射線量が低い議場内で、のど付近にセンサーを当てて値の変化をみる。
 現場を取材した写真家の豊田直巳さん(64)は「子どもたちはマスクをし、整然と並んでいた。受診した約600人は異常なしとされたが、あんな検査で本当に分かるのか、が正直な感想だ」と話した。


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