県民投票条例案、知事「意見」に焦点 東海第二再稼働賛否

 日本原子力発電東海第二原発(茨城県東海村)の再稼働の賛否を問う県民投票条例案が、6月8日開会の県議会で審議される。焦点の一つは、大井川和彦知事が条例案提出の際に付ける「意見」。知事のスタンスは、県政与党で議会の過半数を占める自民党会派の対応を占うためだ。先行事例では、住民投票の実施に慎重な意見を付けた首長も少なくない。(宮尾幹成)

静岡と新潟では知事「賛成」も、条例案は否決

 「県民の意見を聞く方法はまだ検討段階。議会の判断を慎重に見守りたい」。東海第二再稼働に同意するかどうかの判断に当たっては「県民の意見を聞く」と繰り返してきた大井川氏だが、5月26日の記者会見では歯切れが悪かった。
 県民投票条例案は、地方自治法に基づく住民グループの直接請求を受けて上程される。2011年3月の東京電力福島第一原発事故以降、大阪市、東京都、静岡県、新潟県、愛媛県八幡浜市、宮城県で同様の直接請求があった。
 このうち、条例案に賛成した首長は12年の川勝平太静岡県知事と泉田裕彦新潟県知事(当時)のみ。この2例も含め、条例案はいずれも議会で否決された。

「県民投票は、間接民主制がすくい取れない論点を補完」と識者

 一方、条例案に反対した首長には、間接民主制の選挙で選ばれた首長や議員が住民を代表し、住民投票のような直接民主制的プロセスは不要との意見が目立つ。
 だが、住民投票に詳しい佐藤嘉幸・筑波大准教授は「知事選や県議選では経済が主要な争点で、原発再稼働が争点になってきたとは言い難い。県民投票は、間接民主制がすくい取れてない論点を補完する重要な手段だ」と指摘する。
 条例案が定める投票資格が、反対理由に挙げられたケースもある。
 12年の石原慎太郎東京都知事は「永住外国人を含む16歳以上を投票資格者とすることに疑義がある」と批判。条例案には賛成した泉田氏も、投票資格者が公職選挙法上の有権者と異なり、投票事務の負担が大きいと注文を付けた。
 こうした教訓から、茨城県の住民グループが直接請求に添えた条例案は、投票資格者要件を有権者と同じ日本国籍がある18歳以上とした。県議会は、閉会日の23日に採決する。

東海第二原発再稼働の賛否を問う県民投票条例案とは?

茨城県の住民グループ「いばらき原発県民投票の会」が直接請求に必要な署名を募り、法定必要数(県内有権者数の2%)の1.78倍に当たる8万6703筆を集めた。5月25日、大井川和彦知事に直接請求した。

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