避難計画に感染症対策は4割、静岡県内調査「改定」6市町だけ 浜岡原発停止9年 

 新型コロナウイルスの感染拡大で、大地震や原発災害が起きた際の対策が新たな課題として浮かび上がってきた。5月14日に全面停止から9年となった中部電力浜岡原発(御前崎市)について、中日新聞が静岡県内全36自治体にアンケートした結果、感染症対策を避難計画などに「具体的に盛り込んでいる」と回答したのは4割にとどまった。従来の感染症とは深刻さが違い、密閉、密集、密接の「3密」対策や消毒液の備蓄など課題が山積している。(内田淳二)

中部電力浜岡原発=静岡県御前崎市で(本社ヘリ「まなづる」から、浅井慶撮影)

 自治体は、地域防災計画や避難所運営マニュアルなどで災害時の避難手順を定めており、14市町が感染症対策の具体的な記載があると答えた。ただ、風邪やインフルエンザなど従来の感染症が前提のため、「ドアノブ、手すりなどの消毒を実施」といった簡単な対策を挙げる例が目立った。
 想定される課題として「避難所の3密解消」「マスクや消毒液の備蓄」の2点を挙げる自治体がほとんど。菊川市は「3密を避けるため、在宅避難や車中泊が増える。避難者の数や健康状態の把握、体調不良者の受け入れも課題」として、避難所となる学校の教室開放や地域の施設利用の検討が必要と指摘した。
 現時点で計画などを「改定する」と答えたのは6市町のみで、4市町は「改定しない」と回答。25自治体が「その他」を選んだ。国は4月、避難所の増設といった感染症の対応策を例示しており、当面は通達を参考にしながら「運用面での対応を考える」(浜松市)などと緊急的な対処を図るケースが多かった。
 浜岡原発は、南海トラフ巨大地震の想定震源域にあり、東日本大震災から2カ月後の2011年5月14日、政府の要請で停止した。再稼働に向けて3、4号機が原子力規制委員会の審査を受けている。アンケートは県と35市町が対象。西伊豆町を除き回答を得た。

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