福島第一の汚染処理水処分、9市町村長は是非明言せず 2回目の意見聴取

 東京電力福島第一原発の汚染水を浄化処理した後の水の処分を巡り、政府は4月13日、福島県内の関係者から意見を聴く2回目の会合を福島県内で開いた。業界団体・地元企業の代表者3人と市町村長9人が意見を表明。処分方法の是非を明確に表明した市町村長はおらず、国に風評被害が起きないよう対策を求める声が相次いだ。(渡辺聖子)

構内にはタンク約1000基が立ち並ぶ=福島県大熊町の東京電力福島第一原発で、本社ヘリ「おおづる」から

新型コロナ感染拡大の中、「国民的議論に発展するのか」と疑問も

 福島県農業協同組合中央会の菅野孝志会長は「海洋か大気への放出とする二者択一の考え方に反対」と述べ、「今後10年程度で、(今の浄化処理では除去できない)放射性物質トリチウムの分離技術を開発し、その上で方針を決めてほしい」と要望した。
 福島第一から最も近くに漁港がある浪江町では、3月に議会が海洋放出反対を全会一致で決議した。ただ吉田数博町長は「処理水が海洋放出されると、風評被害がどれくらい出てくるのか計り知れない」と述べたものの処分の是非には触れず、移住や定住の取り組みへの支援を国に求めた。
 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、経済産業省など関係省庁の副大臣らは福島に出張せず、会合は東京とテレビ会議でつないで実施。こうした状況での開催に、川内村の遠藤雄幸村長は「国民的議論に発展するのか。国民はコロナ対策への関心が高まっている」と疑問を投げかけた。
 政府は県内外で同様の会合を複数回開く方針だが、回数や次回日程は決まっていない。

意見表明者(4月13日、第1部 福島市会場)

福島県商工会連合会 轡田倉治会長
ヨークベニマル 真船幸夫社長
福島県農業協同組合中央会 菅野孝志会長

【動画】第2回第1部 多核種除去設備等処理水の取扱いに係る「関係者の御意見を伺う場」





意見表明者(4月13日、第2部 富岡町会場)

【意見表明した順番】
いわき市 清水敏男市長
双葉町 伊沢史朗町長
富岡町 宮本皓一町長
広野町 遠藤智町長
葛尾村 篠木弘村長
楢葉町 松本幸英町長
川内村 遠藤雄幸村長
大熊町 吉田淳町長
浪江町 吉田数博町長

【動画】第2回第1部 多核種除去設備等処理水の取扱いに係る「関係者の御意見を伺う場」





書面による意見募集(パブコメ)、7月15日まで

 経済産業省資源エネルギー庁は汚染水を浄化処理した後の水の処分について、文書による意見も募集している。募集期間は7月15日(水)まで(必着)。郵送の場合は消印有効。電子メール、FAX、郵送、電子政府の総合窓口で受け付けている。日本語に限る。
 経産省は個別の意見への回答はしないが、後日一括して政府の考え方を公表する。
 詳しくは「多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の御意見を伺う場(経済産業省資源エネルギー庁)」を参照。以下、経産省資料より。

(1)提出用の様式に以下の内容を記載(任意)
・意見提出者の氏名、連絡先(電話番号、住所等)
・職業、勤務先・学校名(個人の場合)
・団体名、団体の所在都道府県(団体の場合)
(2)提出先
・ 電子メール:takakushu-iken@meti.go.jp。件名を「書面による意見提出」と記入。
・FAX:03−3580−0879 廃炉・汚染水対策チーム事務局 宛
・ 郵送:〒100-8931 東京都千代田区霞が関 1-3-1 経済産業省別館5階 526 廃炉・汚染水対策チーム事務局 宛 ※封書に「書面による意見提出」と赤字で記入。
電子政府の総合窓口

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