排気筒を人力で切断へ、装置トラブルで 福島第一原発

 東京電力は11月28日、福島第一原発で進める1、2号機建屋脇の排気筒(高さ110メートル強)の解体で、筒頂部に設置済みの切断装置が使えなくなったため、別のクレーンで作業員を装置の上に乗せて人力で筒本体を切断すると発表した。排気筒は事故当初、1号機原子炉格納容器の圧力を下げるため、高濃度の放射性物質を含む蒸気を排出し、内部が汚染。遠隔操作の切断装置を使うことで作業員の被ばく線量を抑えていた。だが、8月1日の作業開始から4カ月を迎えようとした段階で、人力に頼らざるを得なくなった。(小川慎一、山川剛史、福岡範行)

切断装置にトラブルが続き、切り残し部分を人力で切断することになった排気筒=28日午後7時4分、福島県浪江町から望遠レンズで山川剛史撮影

 東電によると、27日正午、4ブロック目の筒本体を内側から輪切り中、4台の回転のこぎりのうち1台の刃が切れ目に挟まって抜けなくなった。筒上部が刃にのし掛かったことが原因。クレーンのつる力を変えたりして刃を抜こうとしたがうまくいかず、装置の一部も故障した。
 筒本体の輪切りは8割超進み、1.3メートル分を残している。29日夕方以降、充電式電動工具(ディスクグラインダー)を持った作業員3人を乗せた鉄製かごを別のクレーンでつり上げ、切断装置に移って作業する。装置の燃料が29日未明に切れるため補給も行う。作業は約3時間を見込むが、作業員は顔全面を覆うマスクと防護服を着用して動きが制約され、強風の場合は作業できない。
 筒頂部に設置した装置への作業員による燃料補給は9月1日にも実施し、2時間半の作業で最大0.2ミリシーベルトを被ばくした。
 排気筒解体は頂部から本体を2~4メートルずつ輪切りにし、2020年3月までに高さを半分(約60メートル)にする計画だが、トラブル続きで作業は遅れている。

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