デブリをつまみ何が分かったか 福島第一原発2号機の原子炉底部の調査

 東京電力は2月13日、福島第一原発2号機の原子炉格納容器の底部に、先端につまむ機構の付いた小さな装置を投入した。調査結果を詳報する。

2月27日東京新聞4面「こちら原発取材班」
東電が公表した動画を、本紙でダイジェストに編集。経過もまとめました

 昨年(2018年)1月、小石状の物体や、溶けて固まったような物体が底部に大量にたまっている様子が撮影された。溶け落ちた核燃料(デブリ)とみられる。今回は、これらが動かせるのか、硬さはどうなのかを知るのが調査の目的だ。
 装置を下せる場所が限られ、調査できたのはホームベースほどの広さで、底部面積の2%ほど。   底部で調べた6カ所のうち5カ所は動かせることを確認。泥のように見えた物体(写真③)は、装置の重みをかけても食い込まず、つまんでも動かなかった。   小石状は動かせ、のっぺりした形状のものは固着ー。こう推定されるが、現時点ではそれ以上のことは分からない。東電は今後、アーム式の調査装置も投入し、内部の放射線分布やレーザーによる測定などを予定する。
 調査はまだほんの入り口。デブリを取り出せたとしても、2号機だけで189~390㌧と推定される。その行き先も決まっていない。(山川剛史)

昨年撮影された2号機格納容器の底部(左)。今回の調査は白線で囲った狭い範囲
①地点 持ち上げられた
②地点 砂利をすくうように動かせた
③地点 動かず、つまんでも傷がつかず
④地点 比較的大きいが、持ち上げられた
⑤地点 幅約8㌢と最大の物体だが持ち上げられた
⑥地点 金属の棒で、持ち上げられた

ミニ解説/あらためてデブリ取り出しの困難さ実感

 今回の調査結果を一言でまとめると、石ころ状のものは動き、のっぺり泥状のものは硬く固まっている---ことです。
 それだけか?と問われれば、それだけですと答えるしかありません。ただ、はっきりしたのは、仮に溶け落ちた核燃料(デブリ)を取り出すとすれば、何種類かの装置を開発する必要がありそうだということです。
 かつて米スリーマイル島(TMI)原発事故では、デブリをドリルのようなもので少しづつ削り、その削りくずを水とともに吸い取る手法を取りました。
 福島第一2号機では、ほとんど水がたまっておらず、格納容器中は放射線の遮へいがありません。目視はできませんので、長期にわたりどう状況監視をするのか? 放射線に耐える特別なカメラが不可欠です。
 小石状のデブリは吸い取るとしても、のっぺり固まったものはどんな装置を使うのか? 装置を入れるため、どれだけの開口部を設け、安全性をどう保つのか? 開口部が大きくなるほど、飛躍的に遮へい構造が大きくなります。
 考えるべきことは無数にあります。
 また、これまでの調査である程度見えた部分は原子炉の下だけ。中枢である圧力容器がどう壊れているのかは全く分かっていません。当然デブリがあるため、こちらも除去しないと、「デブリ取り出し」は終わりません。
 そういう意味でも、スリーマイルとはケタ違いに難しい廃炉作業を迫られます。

投入された調査装置 高さ30㌢、幅10㌢、重さ1㌔
格納容器の外から、装置を下すパイプを挿入する作業員

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