5回シリーズ「これでいいの?エネルギー政策」 Q1, 電気は足りないの?

原発なしでも電力不足は回避

 政府が月内にもエネルギー基本計画を決めるのを前に、エネルギーの疑問について考えた。
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 古い火力発電所も動員し、やっと電力をまかなっていると危機感をあおる話もある。確かに苦しいが、危機とまではいえないようだ。
 二〇一〇年から一三年までの真夏の電力需要のピークを調べた。供給力に対する需要の割合を調べると、瞬間的な最大値でも92~94%。危険とされる97%を下回った。電力各社が火力発電所をきちんと維持してきたこともあるが、節電が定着してきたことも貢献している。
 電気の供給力は、需要に追いつかず大停電などを起こさないよう、ピーク時の需要に少し余裕を持たせて計画されている。
 一方、太陽光発電は普及期に入っている。天候には左右されるが、確実にピークの山を下げる。本紙記者宅では、太陽光パネルが消費電力量の八割強を発電している。
 さらにガスを燃料にする発電機と給湯器を組み合わせた製品を導入する家庭が増えているほか、電気代が安い深夜に充電した電気を日中に使う家庭用蓄電池も各種登場している。政府や自治体の補助金を活用してもまだ高額だが、販売台数は伸びており、二〇年ごろには数十万円まで下がるとの予測もある。
 最近ではマイカーも蓄電池の代わりになる。大型の蓄電池を搭載したハイブリッド車や電気自動車の車種が増えてきた。
 電力消費量の約三割は家庭が占める。ピークの引き下げに貢献する選択肢は確実に増えている。さらに普及すれば、無理に原発を再稼働させずに済み、新たなビジネスチャンスを生むことにつながる。

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