79原子力施設廃止に1.9兆円 総費用は増加必至、全て国民負担 原子力機構が試算を初公表

 日本原子力研究開発機構は26日、全国に保有する原子力関連の79施設の廃止に、約1兆9000億円かかるとの見積もりを初めて公表した。廃止を終えるまで70年としたが、人件費や老朽化対策などの維持管理費は含まれておらず、総費用の大幅増加は避けられない。機構の運営は国費で賄われるため、全て国民負担となる。 (宮尾幹成)

 機構が各施設の廃止作業の工程表「バックエンドロードマップ」をまとめ、施設解体や廃棄物の処分にかかる費用を示した。老朽化が進み、既に44施設で廃止方針が決まっている。当面は運転を続ける35施設も、将来の廃止にかかる費用を試算した。
 最も高いのは、原発の使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す東海再処理施設(茨城県東海村)の7700億円。6月から廃止作業が始まっており、当面10年間の維持管理などに別に2170億円を要する。廃止作業中の高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)は1500億円だが、政府は維持管理費などを含めた総費用を3750億円と見積もっている。
 ウラン濃縮施設(岡山県鏡野町)で発生するウランを含む廃棄物の処分費用は、制度が未整備のため試算には含まれていない。
 施設の解体などで発生する放射性廃棄物は、200リットルドラム缶換算で約70万本に上る見通し。既存施設では約43万本しか保管できず、最終処分の見通しが立たなければ保管施設の増設が必要となる。東海再処理施設では、再処理で発生する高レベル廃液を処理したガラス固化体(核のごみ)も約1000体発生する。他に放射能レベルが比較的低く、材料として再利用できるとされるコンクリートや金属なども約21万トン発生する見込みだ。
 廃棄物の最終処分先は決まっていないが、工程表では最初の10年間で老朽化対策の工事を進め、次の20年間で廃棄物の処理を本格化、後半の40年間で施設の解体まで完了させるとしている。

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