もんじゅの将来で4つの案 文科省が提示 狙いは先送り 

 高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)をどうするか、文部科学省が二十三日、廃炉を含む四つの選択肢を提示した。昨年秋の政策仕分けで抜本的な見直しを求められながら、まったく議論は進んでおらず、ようやく重い腰を上げた形。ただ、その割には案を並べただけで、議論の先送りを狙う文科省の姿勢もにじんだ。(桐山純平、大村歩)

実用化のめど 議論なし

 この日の原子力委員会新大綱策定会議で文科省は、もんじゅを(1)実用化を推進するため約十年間運転(2)実用化できるか判断するため三~五年間運転(3)実用化は断念するが、廃棄物を燃やす炉として研究を継続(4)開発を中止し廃炉-という四つのシナリオを出した。
 原子力委などで使用済み核燃料の処理方法や原発依存度の検討が進み、渋々出てきたたたき台。具体的な検討を加えたものとは言えず、容易に思いつくような案を列挙しただけのものだった。
 もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構の鈴木篤之理事長は「もんじゅの経験で原子力政策の選択肢が増える」と、従来通りの主張を展開。文科省の担当者も「原発政策がまず決まって、もんじゅの研究開発も初めて決まる。今夏までに原発政策を決める政府のエネルギー・環境会議の結論を待ちたい」と待ちの姿勢だった。
 もんじゅをめぐっては昨年十一月、行政刷新会議の政策仕分けで「一兆円も費やしたのに成果がない」「東京電力福島第一原発の事故を受けて頭を冷やす必要がある」など厳しい意見が続出。稼働から十七年間で、運転したのはたった二百五十日しかなく、それでも一日五千五百万円の維持費が必要なことが問題視され、存廃を含めた抜本的な改善が求められた。
 ようやく再開されたもんじゅの議論だが、一兆円を投じた研究開発は有益だったのかの検証や、高速増殖炉は実用化できるめどがあるのかどうかなど肝心の点は議論されず、この日の会議自体も低調に終わった。
 政府内では「エネルギー政策を何も決められず、だらだら政策を続けるのがお金の一番の無駄」との声もあるが、政府内の動きは鈍い。そんな中でも、もんじゅは、原子炉や配管内の液体ナトリウムが固まらないようにするだけのために、二万四千世帯分の電力を浪費し続けている。

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