女川原発1号機の廃炉を決定 東北電力

 東北電力は10月25日、取締役会を開き、停止中の女川原発1号機(宮城県)を廃炉にすると決めた。運転開始から34年が経過した同機は52万4000キロワットと出力が小さく再稼働しても採算が見込めないほか、電源などを追加設置する場所がなく安全対策工事が難しいこともあり決断した。
 本店で会見した原田宏哉社長は「出力や再稼働した場合の運転年数などを総合的に勘案した」とし、再稼働を目指す女川2号機や東通原発1号機(青森県東通村)に資金や人員などの経営資源を投入する、と述べた。東北電は、原子力規制委員会の審査が最も進む女川2号機について、2020年度以降の再稼働を見込む。
 同社によると、1号機の廃炉には30~40年がかかる見通し。経済産業省の省令に基づき、毎年、費用総額を試算しており、17年度末で432億円。この日発表した18年9月中間連結決算で、廃炉決定に伴い約21億円の特別損失を計上した。
 会見に先立ち、原田社長が宮城県庁で村井嘉浩知事に廃炉決定を報告。知事は安全な廃炉作業などを要請した。

放射性廃棄物は行き場なし 全国で9原発13基で廃炉作業に

 事故収束作業が続く東京電力福島第一原発を除けば9原発13基で廃炉作業が進むことになった。福島事故後、運転期限40年に迫る原発は、新規制基準に適合させる対策工事のコストが電力会社に重くのしかかり、廃炉となる流れが定着した。九州電力は、運転から37年の玄海2号機(佐賀県)について、2019年中に廃炉か運転継続かを判断する。東京電力は、福島第二1~4号機全基の廃炉方針を表明している。
 ただ、廃炉作業は一筋縄ではいかない。日本で廃炉を終えた経験は、小型の試験炉のみ。使用済み核燃料や放射能で汚染された大量の廃棄物の処分という難題が待ち構える。
 女川1号機の使用済み核燃料プールには453体の核燃料を保管中。搬出先の再処理工場(青森県六ケ所村)は未完成で、稼働の見通しすらたっていない。プールを空にできなければ、廃炉作業は滞る。
 女川1号機の廃炉でどれぐらいの放射性廃棄物が出るかは不明。同じ沸騰水型で出力規模が近い中部電力浜岡1号機(静岡県)=廃炉作業中=では、高濃度に汚染された原子炉や配管などのごみが7400トン、他に汚染の程度が小さく再利用を想定したごみが26万トン以上出る見込みとなっている。
 しかし、廃炉が決まった原発はどこも、ごみの処分先が決まっていない。
 運転期限前に原子力規制委員会に運転延長が認められた原発は、関西電力の美浜3号機と高浜1、2号機(いずれも福井県)。19年秋以降に順次再稼働を目指している。
 11月末に運転期限を迎える日本原子力発電(原電)の東海第二原発(茨城県)は近く運転延長が認められる。対策工事費は1740億円に上る。売電先となる東電と東北電の支援で資金調達にめどを付けたものの、再稼働できる見通しは全くたっていない。(小川慎一)

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