大量点検漏れのもんじゅ 機構と文科省 自己評価は「A」ばかり 甘い体質根深く

 高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)の点検漏れ問題を引き起こした日本原子力研究開発機構と、監督官庁の文部科学省が、機構の安全管理の状況に関し、毎年「順調に実績を上げている」などと甘い評価を続けてきたことが分かった。機構理事長の鈴木篤之氏が十七日に辞任し、一定のけじめをつけた形だが、現実を見ようとしない緩い組織の体質が改まるかどうかは疑問だ。(加賀大介、榊原智康)

A評価の裏で、点検漏れは拡大

 機構の業務評価は二〇〇五年の発足以降、機構による自己評価と文科省の有識者委員会による二本立てで実施してきた。安全面のほか、もんじゅ研究開発や業務効率など約四十項目ある。
 もんじゅの研究開発では、トラブル続きのため、順調であることを示す「A」ばかりとはいかず、努力が必要な「B」や改善が必要な「C」の評価も少なくない。
 しかし、原発の安全性を保つために不可欠な機器の点検などが含まれる「安全確保の徹底」の項目では、自己評価、文科省の評価とも、東海研究開発センター(茨城県東海村)の放射能漏れや隠蔽(いんぺい)が発覚した〇七年度の評価がBだったことを除けば、全てAの評価を付けていた。
 その一方で、点検漏れは一〇年八月ごろから拡大し、昨年十一月に発覚した段階では、安全上重要なものも含め約一万点の機器で点検時期が守られず、うち半分は点検されずに放置されていた。
 評価とは正反対の状況で、今月十五日の原子力規制委員会で「こういう組織が存続していること自体が問題」(島崎邦彦委員長代理)などと批判された。
 監督する文科省の問題もある。下村博文文科相は「一義的に機構の問題」とし、同省担当者の責任を問う考えはないとした。
 原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「機構は点検漏れを含め、最近だけでも七件のトラブルを繰り返している。これだけ度重なるのは、監督官庁が何もしてこなかったからではないか。相応の責任を問うべきだ」と指摘した。

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