6市村同意が焦点、東海第二の再稼働協議 不透明さ残る

 20年間の運転延長を認められた老朽原発の東海第二原発(茨城県東海村)が再稼働するためには、県と東海村に加え、水戸市や那珂市など30キロ圏に含まれる5市から同意を得る必要がある。各自治体とも再稼働の是非を巡る住民意思のくみ取り方が定まっておらず、協議の行方は不透明だ。

 日本原子力発電(原電)は今年3月、茨城県と東海村との間で結ぶ従来の安全協定とは別に、東海村を含む周辺6市村を対象とする全国初の協定を締結した。この協定では、原電と6市村による協議会で「合意形成を図る」と明記され、再稼働について「納得するまでとことん協議を継続する」と確認。1自治体でも反対すれば、再稼働できない仕組みだ。
 原電と6市村との協議が本格化するのは、東海第二の事故対策工事が終わる2021年3月以降だ。東海村の山田修村長は「6市村で一つの答えを出すことになる。多数決は向かない」と合意形成を重視する考えを打ち出す。仮に再稼働賛成が多数だった場合、反対意見を切り捨てず、尊重できるかが鍵になる。
 協議会の議論を公開するかは決まっていない。協議会はオブザーバーの県の立ち会いの下、原電と6市村で進める。非公開になった場合、住民の暮らしや安全に関わる重大な決定が、どのようになされたのか検証できない。6市村で住民意思のくみ取り方が異なる点も協議を複雑にしそうだ。
 人口約27万人で6市村中最多の水戸市の高橋靖市長は、市民と専門家の代表が半々ずつ入る有識者会議の意見を参考にするとしている。常陸太田市は市民の代表者だけの組織を年内に設置して意見を聞くほか、日立市も市民による組織を設置予定。東海村は「未定」としている。
 那珂市は、海野徹市長が10月に再稼働反対を表明。16年度に実施した市民アンケートで、再稼働に反対の声が多かったことなどを理由に挙げた。ただし、2月に任期満了での市長選を控える。海野氏は出馬を明らかにしておらず、次期市長がどう判断するのかが焦点になる。 (山下葉月)

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