東海第二原発「40年超」、規制委が認可 被災原発で初めて

 原子力規制委員会は7日の定例会合で、11月27日で運転期限40年を迎える日本原子力発電(原電)の東海第二原発(茨城県東海村)について、最長20年の運転延長を認めた。東海第二は新規制基準に適合しており、再稼働に必要な規制委の審査を終えた。稼働には県と30キロ圏の水戸市など6市村から同意を得なければならず、1自治体でも反対すれば再稼働できない。 (越田普之)

 東京電力福島第一原発事故後、原発の運転期間は原則40年とすることが原子炉等規制法で定められたが、規制委が認めれば、例外的に最長20年延長できる。これまでに運転延長が認められているのは、いずれも福井県の関西電力高浜1、2号機、美浜3号機で、東海第二は4基目となる。
 関電の3基は加圧水型という発電方式。東海第二は福島第一と同じ沸騰水型で、この型で運転延長が認められたのは初めて。
 原電は昨年11月、運転延長を規制委に申請。圧力容器や格納容器などが放射線で劣化していないかなどを点検した結果、「今後20年間の運転を想定しても問題がない」「東日本大震災の影響がないことを確認した」と判断。規制委は、原電の説明を了承した。
 原電は再稼働を目指し、2021年3月末までに事故対策工事を終えたいとしている。運転期限は38年11月まで。原発事故時の避難計画策定が義務付けられた30キロ圏の自治体には、全国の原発立地地域で最多の96万人が暮らす。どの自治体も、実効性ある計画を作れないでいる。
 このため、東海第二の再稼働に必要な事前同意権を持つ6市村のうち、那珂市の海野(うみの)徹市長が再稼働反対を表明。水戸市議会も再稼働反対の意見書を可決しており、原電にとって高いハードルが残っている。
 また、運転禁止を求めた訴訟が水戸地裁で続く。原告団は、首都圏各地の裁判所に運転差し止めの仮処分申請も視野に入れており、司法判断次第では再稼働が絶たれる可能性もある。

【解説】40年ルール形骸化進む

 原発の運転期間を原則40年とするルールは、福島第一原発事故後、民主党政権が導入した。運転延長は「例外中の例外」(当時の細野豪志原発担当相)と強調されていた。しかし、原子力規制委員会は東海第二を含め、3原発4基の運転延長を認めた。ルールの形骸化がさらに進んだ。
 福島事故後、新規制基準や40年ルールができ、福島の原発を除き7原発10基の廃炉が決まった。いずれも出力が小さかったり、対策工事に巨額の費用がかかったりするためで、電力会社の都合で廃炉の道を選んだ。
 東海第二のような「老朽原発」では、分厚い鋼鉄製の原子炉圧力容器でさえ、強い放射線に長年さらされ、もろくなる。急な温度変化についていけず、割れる危険性も指摘されている。
 しかも、東海第二は東日本大震災で被災した。外部電源を失い、津波で非常用ディーゼル発電機の一部も使えなくなった。何度も強い揺れに襲われており、点検では見つけられない機器の劣化が懸念される。
 福島第一の1号機は、あと2週間で運転から40年という時に、事故を起こした。地元では事故前から廃炉を求める声があったが、運転を続けた末に最悪の事態が起きた。その経験を忘れてはいけない。 (越田普之)

東海第二原発とは?

 日本原子力発電が1978年11月に営業運転開始。出力は110万キロワットで、電気を東京電力や東北電力に供給してきた。都心に最も近い原発で、都庁までの距離は福島第一からの半分程度の約120キロ。放射能が漏れる重大事故が起きた場合、首都圏全域に甚大な被害を及ぼす可能性がある。東日本大震災時は外部電源を失い、津波の影響で非常用ディーゼル発電機の一部も使えなくなり、冷温停止まで3日半かかった。

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