再生エネ議連 自民100人迫る 顧問に甘利元経産相

 自民党の「再生可能エネルギー普及拡大議員連盟」(会長・柴山昌彦文部科学相)の顧問に、甘利明党選挙対策委員長が8日、就任した。太陽光や風力発電などの再生エネ事業の急成長に伴い、議連メンバーも増え続け現在は100人近くに。原発を推進する安倍内閣で経済産業相を務めた甘利氏の顧問就任は、「原発一辺倒」から変わりつつある党の姿を象徴している。 (宮尾幹成)

自民国会議員の4人に1人が参加

 議連は東京電力福島第一原発事故から5年後の2016年3月に設立。メンバーは当初の20人程度から、17年10月の衆院選後には90人を超えた。党所属国会議員の4人に1人が参加している計算。顧問には、麻生太郎財務相、菅義偉官房長官、二階俊博党幹事長ら政権中枢を担う重鎮も名を連ねる。
 議連事務局長の秋本真利衆院議員は「地方では再生エネ事業者がどんどん増えている。地元の声に耳を傾ける議員ほど、そうした潮流を敏感に感じ取っているのでは」と解説する。
 影響力も高まっている。7月に閣議決定されたエネルギー基本計画では、30年時点の再生エネ比率目標を「22~24%」とした原案に「それに止(とど)まらない導入を追求」との文言が追加された。柴山会長は「比率目標を変えようと闘ってきた。成果として表れたのは大変大きい」と振り返る。
 甘利氏は8日、本紙の取材に「(自分は)再生エネを批判したことは一度もない」と強調。太陽光などの電力を高い価格で買い取るよう大手電力会社に義務付けた制度(FIT)の見直しを経産省が検討していることを念頭に、再生エネを後押しする制度改善が急務との認識を示した。
 甘利氏と同じく議連顧問を務める河村建夫元官房長官は、原発の早期再稼働や新増設を求める党電力安定供給推進議員連盟(会長・細田博之元官房長官)の顧問と掛け持ち。「まだ再生エネだけで電力需要を賄える状況ではない。バランスを取りながら原発の比率を下げていく」と話した。

再生エネ急成長 原発推進グループと掛け持ち議員も

 太陽光や風力など再生可能エネルギー産業は、東京電力福島第一原発事故後に急成長している。自民党内では原発推進グループが勢力を維持しているものの、再生エネグループと掛け持ちする議員も出てきた。
 環境省が今年6月に公表した再生エネの市場規模の調査報告書によると、16年度は4兆2160億円。原発事故起前(2010年度)の1兆5000億円から、3倍近く伸びた。
 後押ししたのは、民主党政権が12年に導入した再生エネで発電する電力の固定価格買い取り制度(FIT)。太陽光発電は買い取り価格が高く設定され、急速な普及につながった。土地が確保できる地方では、大規模太陽光発電所(メガソーラー)のほか、伐採木を使う木質バイオマス発電が広がりを見せている。

自民の原発推進議連には160人が参加

 一方、原発推進を目指す自民党内の議員グループは「電力安定供給推進議員連盟」。国内の全原発が停止した13年に発足し、約160人が所属する。会長の細田博之元官房長官(衆院島根1区)、事務局長の高木毅元復興相(衆院福井2区)ら原発立地自治体を地盤とする議員が中心だ。

 政府はエネルギー基本計画で、2030年に原発の発電量比率を20~22%とする目標を掲げた。達成には30基程度の稼働が必要だが、原子力規制委員会が審査中の全原発が新規制基準に適合しても25基にとどまり、目標達成は難しい。議連は、原発の新増設を政府に求めたが、基本計画には盛り込まれなかった。
 電力を巡り、自民党内に二大勢力ができたことを、再生エネ普及に取り組む自然エネルギー財団(東京)の大林ミカ事業局長は前向きに評価し、「野党は他の政策や主張に違いがあっても、再生エネ拡大で連携してほしい」と求めている。

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