行き場ない核のごみ 一時保管すら困難

 原発から出る核のごみの最終処分先をどうするかも決まらず、使用済み核燃料を一時保管する場所もなし-。これが日本の原発の真の姿だ。当面は保管場所に大きな問題なし、といった説明がされてきたが違った。政府は近く、将来の原発比率をどれくらいにするかの方針を打ち出すが、核のごみを十分に考慮して結論を出す必要がある。(清水祐樹、福田真悟)

新規施設に長い年月 再処理で解決できず

 表の通り、ほとんどの原発には使用済み核燃料を保管する十分なスペースがない。
 原発を推進する立場の人たちからは、東京電力と日本原子力発電(原電)が共同出資して建設中の中間貯蔵施設(青森県むつ市)のような施設を造ればいい、再処理すれば問題は解決する、との声も聞こえるが、東電福島第一原発事故後、状況は一変した。
 むつ市に建設中の施設は二〇〇〇年十一月、財政難だった同市が東電に立地可能性の調査を依頼してスタートした。
 住民への説明会を重ね、地元が合意したのは〇五年十月。その後も詳細調査、事業申請、国の審査などで五年がたち、着工にこぎつけたのが一〇年八月で、ここまでに十年の年月を費やした。
 福島の事故を受け、新たな原子力施設が受け入れられる可能性は極めて低い。仮に受け入れ先があったとしても、六割もの原発で、使用済み核燃料の保管場所が数年分しかない実情を考えれば、原発が安定的に使える電源でないことは明らかだ。
 使用済み核燃料プールを広く使うために、当初の計画より核燃料の収納間隔を狭めて強引に容量を増やす「リラッキング」という奥の手もあるにはある。だが、九州電力は一〇年、玄海原発3号機のリラッキングの許可を申請したが、事故の影響もあっていまだ認められていない。
 使用済み核燃料を再処理し、混合酸化物燃料(MOX燃料)として「プルサーマル発電」と称して使う方法もあり、プール内の核燃料そのものは減る。
 しかし、事故後、どの電力会社も利用計画すら示せない状況になっている。無理に再生しても、使うあてのないMOX燃料だけが積み上がっていく。
 再処理だけを行う道もあるが、今度は国際社会からの厳しい視線にさらされる。再処理で生まれるプルトニウムは、核兵器の材料となるため、意味なく保有量を増やすことは許されない。高レベル廃棄物のガラス固化体のほか、使い道のない回収ウランも残り、核のごみは減らない。

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