柏崎刈羽原発巡り、新潟県知事と東京電力社長が初会談

 東京電力柏崎刈羽原発が立地する新潟県の花角(はなずみ)英世知事は2日、就任後初めて柏崎刈羽の再稼働を目指す東電の小早川智明社長らと会談した。原発再稼働を進める与党の支持を受け初当選を果たした知事は、再稼働への慎重姿勢を崩さなかった。 (伊藤弘喜)

知事 再稼働に慎重姿勢崩さず

 「安全最優先で行い、県民の理解を得るのが重要と考える」
 小早川氏は、同原発の再稼働に関して「柏崎刈羽原発」や「再稼働」という言葉には直接言及せず、慎重な言い回しで地元の協力を求めた。
 会談はわずか約7分。福島第一原発事故に関して新潟県が独自に進めている検証に「最大限の協力をする」と強調。一方の知事は「安全最優先で進めることを行動と実績で示していただきたい」と要請した。
 会談後、知事は「検証作業が終わるまで(再稼働を)議論しない」と断言。米山隆一前知事が力を入れた福島第一原発事故の県独自の検証を引き継ぐ。結論を出す期限については「おしりを切らない。しっかりと議論を尽くしてもらいたい」と述べ、従来の「2、3年かかる」との見通しを変えなかった。
 新潟県の検証では福島事故の原因、住民の健康と生活への影響、避難計画という3点を専門家たちが議論している。6月の知事選を挟み一時中断していたが、9月半ばにも再開する。

東電社長 福島第二廃炉穴埋め狙う

 「資源のない日本で電気を安定的にかつ低廉に送る意味において、原子力は一定量、必要不可欠だ」。小早川氏は会談後、柏崎刈羽の意義を強調し、再稼働に向けた意欲をにじませた。
 東電は6月に福島第二原発(福島県)の廃炉方針を表明し、再稼働すれば数千億円規模にもなりえたと主張する「収益源」を諦めた。経営再建のためにも、柏崎刈羽にかける期待は大きい。立地する柏崎市、刈羽村は基本的に再稼働を容認する構え。
 柏崎市の桜井雅浩市長は昨年6月、再稼働を認める条件として2年以内に1~5号機の廃炉に向けた計画提示を要望。この日、柏崎市を訪れた小早川氏は、ゼロ回答もあるとしつつも「来年6月ごろまでには何らかの回答は申し上げたい」と地元の意向に向き合う姿勢を示した。
 再稼働に慎重だった前知事の後に、原発再稼働を進める与党が支持する花角氏が県政トップに就いたことに望みをつないでいる。

自民支援を受けた知事の真意は?

 知事選中、知事側は地元紙、新潟日報で「脱原発の社会をめざします」と大きくうたった全面広告を掲載した。
 県の検証結果に基づいて再稼働を認めるかの判断をした際には、民意を問う出直し知事選を実施する可能性を示唆している。
 一方、自民党の二階俊博幹事長の運輸相時代の秘書官を務めるなど、自民とのパイプが太い一面もある。知事の本音はどこにあるのかは見えない。
 知事に脱原発の推進を促す有志でつくった「花角県政を見守る会」の共同代表、朝倉奏(そう)さん(35)=新潟市中央区=は「脱原発を目指すという公約を信じて投票した県民は多いと思う。柏崎刈羽の再稼働はあり得ないはずだ」とくぎを刺す。

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