東海第二、審査の遅れを強調 規制委・山中委員が現地視察

 茨城県東海村の日本原子力発電(原電)東海第二原発を再稼働するのに必要な審査に当たっている原子力規制委員会の山中伸介委員が11日、現地を視察した。山中委員は審査が遅れていることから、打ち切りの可能性を示唆し危機感をあおる。ただ、規制委がこれまでに審査を打ち切った原発はない。 (越田普之)

◆6月上旬

 「工事計画については1カ月前と状況が変わっておらず、よりいっそう危機感が増している」
 山中委員は視察後、報道陣にそう認識を示した。
 東海第二を再稼働するには、営業運転開始から40年が経過する今年11月28日までに、新規制基準に基づく審査のほか、設備の詳細設計をまとめた工事計画と、最長20年の運転延長の三つの手続きでそれぞれ、規制委から了解を得なければならない。
 しかし、工事計画については、原電が必要な実証実験が遅れ、6月末までに順次、資料提出する計画を示した。これに、規制委の更田豊志委員長は9日の定例会見で「6月末まで待ってよいのか。場合によっては、大きな判断をせざるを得ない時期にさしかかっている」とした上で「6月上旬がポイントになる」と審査打ち切りを示唆した。
 山中委員もこの日、「危機感を持っているという点は同じ」と、更田委員長に同調した。

◆急ピッチ

 ただ、規制委はこれまで、運転期限が近づいていた福井県の関西電力高浜原発1、2号機や美浜原発3号機の審査で、期限切れの危機感を示しながら、急ピッチで手続きを進め、了承したケースがある。
 東海第二でも、規制委はこれまでの審査でも打ち切りをちらつかせ、原電に対応を求めてきた。これに原電が応じる形で、審査を継続してきた。
 一方、原電は再稼働の意思を隠さない。和智信隆常務は「新規制基準に対応し、きちんと運転して社会に貢献したい」と、再稼働に言及。新基準の審査で提出が求められている補正書については、今月中に出す考えを明らかにした。
 また、工事計画が停滞しているとの指摘には「もう少し進んでいると思っていた」と、認識のずれを認めた。その上で、規制委に示したスケジュール通り、6月末までに一通りの説明を終えるとした。

原子炉格納容器に入る山中委員(中)ら=茨城県東海村で(代表撮影)

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