「東海第二」審査大幅遅れ 「対応遅い」規制委が原電批判 

 日本原子力発電(原電)が再稼働を目指す東海第二原発(茨城県東海村)の原子力規制委員会による審査が、原電の準備不足で大幅に遅れている。規制委は審査打ち切りをほのめかしてねじを巻くものの、運転期限四十年となる十一月二十七日までに、三つの審査を終えなければ廃炉になる。 (小川慎一、越田普之)
 「対応が極めて遅い。怒りさえ感じる。ぎりぎりになって書類を出されても、検査しきれない。いいかげんまともに対応してもらいたい」。十一日に開かれた規制委の定例会合で、審査を担当する山中伸介委員は原電を厳しく批判した。
 東海第二は三つの審査が並行している。原発の新規制基準と最長二十年の運転延長という二つの審査では、規制委が事故対策に必要な資金千七百四十億円の確保を求めていた。東京電力と東北電力から援助を受けられる見通しとなり、まずハードルの一つを越えた。
 しかし、施設の詳細設計など工事計画にかかわる審査が停滞。新設する防潮堤の耐震性の評価や重要機器の強度の試験が終わっていない。このため、原電は審査の前提となる資料を準備できず、規制委に説明を終えるとした時期が当初の予定よりも二カ月程度遅れることになった。
 十一日の会合に原電関係者は出席しなかったが、山中委員は原電の技術的な能力面に課題があると指摘し、「四、五月は大事な時期。これ以上回答がない場合、審査の継続そのものを考えてほしい」と言及。状況次第では、審査打ち切りが視野に入ってくる。
規制委の更田豊志(ふけたとよし)委員長も同日の定例会見で、「六月末までに見通しがたたないなら非常に深刻。夏を越えて本質的な議論が残っていたなら、時間的に不可能だ」と話した。
 一方、原電は取材に「審査に全力で対応してまいる所存」とコメントを出すにとどまった。

<東海第二原発> 日本原子力発電(原電)が1978年11月に営業運転開始。出力は110万キロワットで、東京電力や東北電力管内に供給してきた。住民の避難計画策定が必要な30キロ圏(14市町村)に約96万人が暮らす。原電は3月、立地する東海村以外の水戸など周辺5市にも再稼働の事前同意権を拡大した協定を結び、県と6市村の同意が不可欠となった。原電は原子力規制委員会に2014年5月に新規制基準の審査を、17年11月に最長20年の運転延長の審査を申請した。

停止中の東海第二原発。左は廃炉作業中の東海原発=茨城県東海村で、本社ヘリ「おおづる」から

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