伊方原発 拡幅工事が進む支援道路、弱さ残る住民避難ルート

 2017年12月に広島高裁が運転差し止めを命じた四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)とその周辺地域の様子を撮影してきました。ボトルネックとなっていた海沿いの県道拡幅は進んでいました。ただ、各集落から国道に出る道は脆弱さが残ります。

伊方原発と周辺地域(2017年12月撮影)
左から1号機、2号機、3号機

原発への支援道路はボトルネックのトンネル工事が終盤

 松山市方面から伊方原発に通じる道路は2本。海沿いの県道と尾根筋の国道があります。
 下に掲載した写真の通り、国道から原発までは標高差が180メートルあります。下りる道は強化されましたが、急傾斜地にあることに変わりはなく、震災時にも使えるとは限りません。
 そこで、何年も前から、海沿いの県道を倍の広さにする工事が続いてきました。ただし亀浦集落だけは海側に拡幅するのが不可能で、新たにトンネルを掘り、集落をバイパスする計画。ようやく工事は終盤を迎えていました。完成予定は2018年2月末。

拡幅工事中の「原発避難・救援道路」。左が新設されるトンネル。右が旧道
トンネルは2018年2月末に完成予定。それまで原発に向かうには亀浦集落を抜ける。車はすれ違うのがやっと
国道と原発の標高差は180メートルある。つづら折りの道を下りるしかない。中央に見えるのは、緊急時用のヘリポート

原発西側の住民はフェリーで九州へ避難。「乗り場まで30分で参集可」は確かだが…

 一方、原発西側の住民約5000人は、重大事故の際は、三崎港から大分・佐賀関へのフェリーを使って避難する計画です。各集落から「30分でフェリー乗り場に参集可能」とされ、取材班は条件の厳しそうな集落をいくつか選び、実際に車で走ってきました。
 確かに30分前後で到着できました。
 ただし、道の崩落などがなければ--です。取材時は快晴でしたが、何カ所が路肩修復中の地点がありました。道も細い山道ですし、複合災害の場合は想定の通りいくとは限りません。

事故時に住民が避難に使う大分・佐賀関行きのフェリー
左上の赤い橋が国道。大久集落からはきつい坂道が続く
順調に国道まで出られれば、フェリー乗り場まで30分で到着可。集落から国道への道にはこんな場所も
佐田岬近くから九州方面を遠望
尾根筋に林立する風車群

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