核燃料の回収3年先送り 福島第一の廃炉工程改定

廃炉阻むがれき、建屋内の高線量、排気筒の解体工事とバッティング

 政府は26日、東京電力福島第一原発の事故収束に向けた中長期ロードマップ(工程表)を改定し、1、2号機のプールに保管中の使用済み核燃料の取り出し開始時期を3年遅らせて2023年度とした。廃炉完了まで最大40年という計画は維持したものの、課題は依然として山積しており、工程表通りに進むかどうかは不透明だ。
 11年12月に策定された工程表の改定は4回目。使用済み核燃料の取り出し時期は後退し続けている。東電の福島第一廃炉推進カンパニーの増田尚宏・最高責任者は同日、「作業全体を最適化した。どの順番で何を優先するかが見えてきたのは進歩」と強調した。
 福島第一では、調査が進むにつれ新たな難問が浮かんでいる。今年に入り、1号機原子炉建屋で格納容器上部を覆っているはずのコンクリート製ふたの崩落が判明したこともその一つ。隙間からは炉内の強い放射線が出ている。
 高線量は、使用済み核燃料の取り出し時に作業員が立ち入る際に障害となる。しかし、建屋の上部には大量のがれきが残っており、線量を下げる対策も難航が見込まれる。2号機でもプールがある建屋最上階の線量が高い。
 また、多くの損傷が確認され、本紙の写真分析でも新たな損傷が判明した1、2号機の排気筒(高さ120㍍)は、19年中に上半分を解体予定。並行して使用済み核燃料の取り出し作業をすれば、互いの作業に支障が出る恐れもある。
 3号機からの取り出しは、現行の18年度半ばで変更はなかった。
 一方、1~3号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しは、格納容器の横から穴を開け、水を張らずに作業する「気中工法」を軸とする。圧力容器内のデブリは、上方からの取り出しを目指す。最初に取り出す号機の選定と具体的な工法確定は1年遅らせた。取り出し開始は、21年内という目標を変えなかった。 (小川慎一)

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