千葉・手賀沼のセシウムは今

汚染は底の表層に集中 時を待つしか

 首都圏の川や沼などで、特に福島第一原発事故の影響が強く残るのが千葉県の手賀沼。本紙は3回目の調査を実施した。放射性セシウム濃度の低下傾向は見て取れるものの、底の表層近くに汚染が集中。時とともに放射能が弱くなるのを期待するしかない状況だ。
 調査は7月12日、手賀沼本体と大堀川、大津川からの流れ込み部の5地点で実施。2種類の採泥器を使い、底表層の堆積物だけでなく、底より深い堆積物も柱状に採取(5㌢ごとに取り分け)した。乾燥後、それぞれ8~10時間かけ、セシウム濃度を調べた。
 確かに表層の濃度は低下傾向で、環境省の調査でも同様の傾向を示している。垂直方向の濃度分布を見ると、表層ほど濃度が高かった。
 特に、大堀川上流部にある防災調整池では、中央付近の大雨時だけ水に浸る地点(通常は草むら)の汚染がひどかった。汚染がたまって乾燥し濃縮されるためか、地下10㌢までは厳重管理が求められる指定廃棄物(基準は1キロ当たり8000ベクレル)レベル。その下の層にもかなりの汚染が広がっていた。現地は、近づかないよう鉄パイプの柵がされていたが、空間放射線量は毎時0.6マイクロシーベルト前後とかなり高かった。(山川剛史、小川慎一)

底からさらに下を調べるには・・・

 表層の堆積物は、専用の採泥器を使えば比較的簡単に採取できます。
 でも、その下がどうなっているのかを調べ、これまでどう堆積してきたのかを知ることで、この先どうなっていくのかを知りたいところです。そこで専用の採泥器(コアサンプラー)を使いました。米国AMS社製のを山川が個人輸入しました(自腹)。
 先端に刃のついたステンレス製の筒(内部には、泥が収まる樹脂製の筒)が本体で、鉄パイプを何本もつないで底に降ろし、筒をねじ込んでいきます。筒の内部には、逆止弁と樹脂製のキャッチャーがあり、引き抜いたときに泥が落ちないようになっています。
 沼の底はかなり粘度が高いため、筒を30センチ以上ねじ込むのはかなりの重労働でした。
 筒を引き抜き、内部にセットした樹脂製の筒に、きれいに柱状に泥が採れていると、思わず「よ~し! やったー!」とガッツポーズをしてしまいます。 

①鉄パイプをつなぎ、橋の上から採泥器(先端)を降ろす=大津川の流れ込み部
②ハンドルを取り付け、採泥器を固い粘土層まで30センチほどねじ込む
③引き上げた採泥器。内部にセットした樹脂製の筒には、泥が深さ30センチまでが入っている
②樹脂製の筒を取り出し、5センチごとに取り分けて採取作業が終了

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