核のごみ最終処分地探し 政府が「適地」マップを公開

 原発で使い終わった核燃料から出る「核のごみ(高レベル放射性廃棄物)」をめぐり経済産業省は二十八日、最終処分場を建設できそうな地域を色分けして示す地図「科学的特性マップ」をホームページ上で公開した。火山からの距離など自然条件を基に全国を四分類した結果、国土のうち沿岸部の約30%は「輸送面でも好ましい」とし適性が高い地域に分類。これらを含む約65%を建設できそうな地域と判断した。
 経産省は秋から全国で対話集会を開いて説明し、処分場の調査受け入れを複数の自治体に打診する方針。世耕弘成(ひろしげ)経済産業相は地図は処分場建設に向けた「重要な一歩」だと強調した。
 処分場は地下三百メートルより深い地中に建設。核のごみを数万年にわたり閉じ込める「地層処分」という手法を採る。自然環境に照らして設けた七つの基準に抵触する地域などを「好ましくない」などと実質的に除外した。
 調査のため処分場着工までに二十年程度をかける。福島県は東京電力福島第一原発事故からの復興途上にあり、政府から積極的な働きかけはしない。青森県は六ケ所村が再処理工場を受け入れた経緯があり、政府と最終処分場を建設しない約束を結んでいる。

 経済産業省の特設ホームページはこちら

政府が公表したマップをもとに、本紙が作成(クリックすると拡大できます)

解説/国民の理解は置き去り

 核のごみの行き場は決まっておらず、経済産業省は「現世代の責任」と強調する。しかし、現状でも原発を動かしてごみを出し続けている経産省自身の無責任な姿勢は相変わらず。国民からは批判が絶えず、「国民の理解」は置き去りにされたままだ。
 通常の工場は産業廃棄物の処分場が確保できていないと動かせないが、政府は原発を特別扱いしてきた。今年三月末時点で国内の使用済み核燃料は一万七千八百三十トン。既に保管できる容量の七割を超えた。中にはあと三年程度でためておけなくなる原発もある。
 それでも政府は原発を動かす方針を崩さない。経産省が地図づくりの途中で行った意見公募では、無責任な政策に国民から批判が多く寄せられた。耳を傾けない政府の姿勢が改まらなければ、国民の間に政府に協力しようという機運は生まれない。(吉田通夫)

最終処分場ができるまで最低でも20年

関東の「適地」マップはどうなっている?

 経済産業省が示した「高レベル放射性廃棄物(核のごみ)」の最終処分場を建設できそうな地域を示す地図によると、関東では千葉県の大半と湾岸部を中心にした東京都、神奈川、埼玉、茨城各県の一部が核のごみの最終処分場の適地から外れた。一帯には国内最大級の埋蔵量を持つ南関東ガス田がある。もし処分場ができ、将来、近くでガスを採掘すると危険なためだ。 (桐山純平)
 ガス田の中心地の千葉では、土地が隆起している房総半島の南部や地盤が軟弱な千葉市などがあり、大半の地域が適地にならなかった。土地が隆起すると地下の処分場が移動する恐れが生じる。
 群馬の大部分、栃木北部、伊豆諸島(東京)などにも火山があり、除外された。
 一方、東京の多摩地区や埼玉と茨城の大部分、三浦半島(神奈川)などは火山がなく処分場の適地になった。
 処分場が建設される地下には津波の影響は及びにくいとして今回、津波は適地から除外する条件にならなかった。このため東日本大震災で津波の被害に遭った茨城は適地になった。

科学的特性マップに関する問い合わせ先

◆NUMO(原子力発電環境整備機構)
 03(6371)4003 平日10:00~17:00

◆東京電力エナジーパートナー  お客さま相談室
 050(3066)3033 
 平日9:00~12:00、13:00~17:00

◆資源エネルギー庁電力・ガス事業部
 03(3501)1582 平日8:30~17:15

◆関東経済産業局電力事業課
 048(600)0381 平日8:30~17:15

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