汚染水計画破綻 貯水池に構造上の欠陥 福島第一

 東京電力福島第一原発の地下貯水池で相次いでいる汚染水漏れ事故で九日、三件目の水漏れが起きた。池に構造的な欠陥があるのは明らかで、東電の汚染水貯蔵計画は破綻した。東電は池の汚染水を数少ない地上の空きタンクに移す検討をし始めたが、しのげるのはわずかな期間で、毎日発生する汚染水の処理にも影響が出てくるのは必至だ。

汚染水は1日400トン増加

 同日昼、すでに水漏れが確認されている貯水池(2番)から、放射性ストロンチウムなどが残る塩水を移送していた池(1番)の遮水シートの中で濃い塩分を検出。2、3番の池に続き、水漏れしていることが確定的となった。
 東電はこれまで、満水近くなった貯水池の上部から水漏れが起きたと推測。水位を八割ほどに抑えれば、貯水池は問題なく使用できると説明してきた。しかし、今回の水漏れは水位が半分ほどの場所で起きており、貯水池の水漏れは構造上の欠陥である可能性が高まった。
 福島第一には貯水池が七つあり、容量は計五万八千トン。小学校の二十五メートルプールにすると、ざっと百十六杯分にもなる。地上の金属製タンクより貯水量がかせげるため、汚染水貯蔵の重要な柱になっている。
 貯水池にはすでに約二万七千トンの汚染水が貯蔵されており、地下水汚染を防ぐには地上タンクに移す必要がある。だが、地上タンクの空き容量は約二万二千トンしかない。
 東電は原子炉冷却用の水をためる予備のタンクなどを動員し、貯水池の汚染水の移送先にすることを検討。それでも用意できそうなのは計七千三百トン程度しかない。
 容量を使い切る前に次の移送先を確保しないと、一日約四百トンずつ増える高濃度汚染水を処理した後に残る水の行き先がなくなり、処理ができなくなる。東電は早急な汚染水処理の計画練り直しを迫られている。
 東電の尾野昌之原子力・立地本部長代理は「貯水池の信頼性が損なわれていることにまったく反論はない」と認める一方、貯蔵先をほかに確保できないとして、まだ問題が見つかっていない貯水池は引き続き使う方針も示し、矛盾した説明に終始した。

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