セシウム濃度が下げ止まりの淡水魚 海水魚との差は歴然

生息環境には汚染が残り、淡水魚はセシウム排出が少ないのが理由

 東京電力福島第一原発事故による魚介類への放射性セシウム汚染の状況を、水産庁がまとめた検査データを基に3回シリーズでお伝えしてきた。最終回は淡水魚を取り上げる。
 海水魚は、広大な海の拡散力もあり、福島沖も含め状況は大幅改善。メバルやクロダイなど懸念が残る魚種も残るが、全般的には検査された95%までの魚が、セシウムを含まないか、もっと測定に時間をかけないとセシウムを検出できないレベルになった。
 だが淡水魚は、事故発生当初に比べて濃度は下がったが、ここ3年ほどは下げ止まりの状況が続く。2016年度も、調べた魚の半分近くで大なり小なりセシウムが検出される。食品基準(1キログラム当たり100ベクレル)超えにしても、数は減ったが、いまだイワナやヤマメなどでは高濃度の魚が見つかることがある。
 ワカサギは、榛名湖と赤城大沼(群馬県)、中禅寺湖(栃木県)で30ベクレル前後、霞ケ浦(茨城県)で十数ベクレルといった水準。アユは事故翌年には濃度が急低下したが、それ以降は足踏み状態だ。
 明るい状況は養殖もので、アユ、イワナ、ヤマメとも当初からセシウムの検出例は少なく、16年度はゼロとなった。餌や水が管理されているからだ。
 淡水魚のセシウム濃度が下がりにくい理由の一つは、湖沼などは水域が閉じられ、セシウムが薄まりにくい上、渓流脇にはセシウムを含む落ち葉が堆積し流入する。餌となる虫などにも影響が残る。
 もう一つは、海水魚はセシウムも含めた塩類を取り込むとどんどん排出するのに対し、淡水魚は自らの塩分濃度を維持しようとしてあまり排出しない点だ。 (山川剛史)

関連記事