淡水魚の汚染今も 霞ケ浦など水郷調査2回目

 古くから水運、農業、漁業、観光の要となってきた千葉、茨城両県にまたがる水郷地帯。水の下には放射性セシウムがどれほどの濃度でたまっているのか。昨年に続いて2回目となる本紙独自の調査では、水域がほぼ閉じられていることもあり、セシウム濃度が下がるなどの明確な状況は見られなかった。(山川剛史)

食品基準は下回るが、ウナギなど基準の半分程度の汚染は残る

 この一年、水郷をめぐっては、利根川の銀ブナをはじめ、江戸川や霞ケ浦の天然ウナギの出荷制限が解除されるなど、明るい材料もあった。
 水産庁がまとめたデータを見ると、食品基準(1キログラム当たり100ベクレル)を超える汚れた淡水魚が水郷で捕れるケースは確かに減っている。2015年度は、いずれも千葉県の手賀沼で捕れた銀ブナとウナギ、コイの4件にとどまっている。
 途中立ち寄った霞ケ浦湖畔にある道の駅では、ワカサギと川エビの天ぷらを非常においしくいただいた。これらが食品基準を大幅に下回っていることは検査結果で分かっており、何の心配もしなかった。
 ただ、15年度のデータを見ていて少々気になったのは天然のウナギ。基準は下回っているものの、霞ケ浦では7件が50ベクレルを超えている。高級食材だけに大量に食べることは考えにくいが、放射性物質への感受性が高いとされる子どもに対しては、50ベクレルを食品基準にすべきだと考える専門家もいる。

塩類を排出しにくい淡水魚 今後も調査が必要

 淡水魚は、海水魚と違って、取り込んだ塩類を排出する機能が弱く、セシウムも取り込むと体内にため込みやすい。
 今回の調査で判明したような湖沼の汚染レベルで、どれくらい影響が出るのかは明確には分からない。ただ、事故当初に比べて減ったとはいえ、いまだセシウムを含む淡水魚が捕れ続けていることも事実だ。
 試験的に手賀沼に入って水底に塩ビパイプを打ち込み、底土ごと抜き取って丸ごと冷凍。それを2.5センチごとに切断して深さごとのセシウム濃度を調べることもしてみた。セシウムが検出されるのは底から7.5センチまでで、上の層になるほど濃度が低くなっているとの結果も出た。ただし、全体の状況はまだ分からない。
 時とともに濃度の低い層が重なっていけば、影響はなくなっていくのでは…とも期待されるが、もっと調べてみないと分からない。

霞ケ浦の園部川河口で汚泥を採取する山川記者=茨城県小美玉市で

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