もんじゅ 機構は失格 規制委 運営交代を勧告 担い手探し厳しく廃炉も

 高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、多数の点検漏れが起きた問題を受け、原子力規制委員会は十三日、現在の日本原子力研究開発機構の運営では安全を保てないとして、半年以内をめどに運営者を交代させるよう文部科学省に勧告した。担い手が見つからない場合でも、原子炉からの核燃料抜き取りなど、抜本的なリスク低減策を取るよう求めた。
 文科省は専門家も交えた検討会で新たな担い手を探すという。ただ、高速炉に関する技術を持ち、管理も完璧にできる組織を探すのは非常に困難を伴う。開発段階のもんじゅで利益を出すのは難しく、民間企業は容易に引き受けない。
 見つけた場合でも、規制委が運転時の安全も担えると判断しないと、存続は難しい。設置許可の取り消し(廃炉)につながる可能性がある。
 機構からもんじゅ部門を切り離して新組織とする道もあるが、「看板のすげ替え」と受け取られる公算が大きい。
 この日の記者会見で、規制委の田中俊一委員長は「安全上の問題から評価する」と部門切り離しについて全否定しなかったが「勧告に至ったのは機構ではだめだという判断だった」と述べ、基本的にはあり得ないとの認識を示した。
 勧告は、担い手が見つからない場合、もんじゅのリスクを抜本的に低減させるよう求めている。
 田中委員長は「見つからないからと、ずるずる時間が過ぎていくことは困る」と説明。炉内に残っている核燃料や液体ナトリウムを抜き取り、基本的にリスクのない状態にすることを念頭に置いていることを示唆した。

(メモ)もんじゅ

 国が推進する核燃料サイクルの中核施設で、使った以上の核燃料を生み出す「夢の原子炉」と期待された。1994年に運転を始めたが、翌年12月、冷却材の液体ナトリウム漏れ事故で長期停止。2010年に再開したものの、核燃料交換用機器の落下で再び停止し、稼働したのは250日しかない。ナトリウムは効率的な冷却材とされるが、水や空気に触れると爆発的に燃えるため取り扱いが難しい。液体に保つため、停止中も電熱器で加熱している。維持費は年間200億円かかる。

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