原発オフサイトセンター支援業務 電力系列社が全て受注

 独立行政法人原子力安全基盤機構(JNES)が、原発事故時の対策拠点となるオフサイトセンター(OFC)の運営支援業務を、いずれも各原発を保有する電力会社のグループ会社に発注していたことが、JNESへの取材で分かった。消費者が支払う電気料金から国に納められた税金が、最終的に電力会社の身内に還元していた形だ。=関連<28>面
 原発のOFCは全国十六カ所にあり、事故の収拾や住民の避難指示を検討する拠点となる。その業務を事故の当事者となる電力会社の身内に任せることは、非常時に電力会社側に立った事故対応が取られる恐れもある。
 発注した業務内容はOFC内の通信施設の維持管理など。通常は月一回の動作確認と年一回の定期点検をする。事故が起きた時は、一時間以内に五人程度が駆け付け、二十四時間体制で政府などがつくる現地対策本部を支援する。
 ただし、電力や原子力への特別な知識は不要といい、JNESも「業務自体は電力会社のグループ会社でなくてもできると思う」と認める。
 発注は一般競争入札(福島は公募)にかけられたが、いずれも受注会社だけが参加する一者応札だった。さらに、ほぼ全ての契約例で、業者が入札した金額がJNESの予定価格より高く、入札は不調に終わった。その後、両者が協議し、契約額を決めて随意契約を結んでいた。
 さらに、日本原子力発電系の原電情報システム(東京)、関西電力系の関電プラント(大阪)との五つの契約では、契約金額が全く同じ。本紙の取材に、両社とも「どのOFCも、設備もやることも一緒なので金額は近くなる。まったく同じになったのは偶然だ」と口をそろえた。
 JNESが発足した二〇〇三年から各OFCの業務は、それぞれ同じ会社が全て契約。当初は随意契約で、競争入札の導入後は一者応札が続いている。
 JNESは原子力規制委員会に統合される予定の公的機関。その運営費用は電気料金の一部で賄われている。一者応札や随意契約は高コストや不透明な契約につながるとして厳しい目が向けられているが、JNESではこうした状況を改善する考えを示していない。

(メモ)原子力安全基盤機構

 1999年のJCO臨界被ばく事故や2002年の東京電力データ改ざん問題を受け、経済産業省原子力安全・保安院(廃止)の支援を目的に03年に組織された。略称はJNES(ジェイネス)で、原発関連の検査や防災対策を担う。国のエネルギー対策特別会計から支出される交付金が主な財源。事業者の書類を丸写しして検査手順書を作ったり、保安院から依頼された放射性物質の拡散予測図の作成を下請け会社に丸投げしたりした問題が表面化している。

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