公募意見反映 形だけ 川内原発 疑問残し「適合」 規制委審査 字句直し程度

 原子力規制委員会は十日、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)が原発の新しい規制基準を満たしているとの審査結果を正式に決めた。新基準で「適合」が認められたのは初めて。審査結果案には一万八千件近くの意見が寄せられ、六百二十一カ所が修正されたが、字句の手直し程度にとどまった。専門家から疑義が出ていた火山のリスクや、住民の避難計画などに関する意見は反映されなかった。(小倉貞俊)

田中委員長「誤解あるような意見も」

 審査結果案に国民の意見を反映させるとして、八月十五日まで約一カ月実施されたパブリックコメント(意見公募)には、原発の設備面への疑義だけでなく、住民の合意形成が不十分との声など幅広い意見が寄せられた。
 規制委事務局は正式決定した審査書のほか、パブリックコメントに寄せられた主な意見と、それに対する規制委の見解を公表した。
 審査結果案からの変更点を確認すると、言い回しや「てにをは」の修正ばかり=表参照。内容の変更はなかった。
 大きな論点となってきた火山の巨大噴火リスクの問題で審査結果案は、九電が周辺地盤の動きを監視し、噴火の兆候があれば原発を止め、核燃料を運び出させるとしていた。
 これに対し、「どこにどう運び出すのか詳細を確認して」との意見が寄せられたが、規制委は「事業者において具体的な検討がなされる必要がある」とだけ回答。住民の避難計画も審査対象にすべきだとの指摘には「原子力災害対策特別措置法に基づいて対策が講じられる」とだけ答えた。
 審査結果案は、安全対策面などの課題について「九電の方針を確認した」と約束だけで対策済みと見なしている部分が少なからずある。
 この点を指摘する意見もあったが、規制委の回答は「審査は事業者の対策や設計の方針を確認するものです」と、かみ合わない内容だった。
 規制委の田中俊一委員長はこの日の定例会見で「いろいろな貴重な意見はあり、それなりに審査書に反映させた。規制基準に対し、誤解もあるような意見もあった」と話した。

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