原発比率意見聴取会 核燃サイクル議論除外 維持主張 青森県に配慮?

 政府が十四日から全国各地で開く将来の原発比率に関する意見聴取会では、使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクル政策は議論の対象から外れた。十兆円もの費用を使ってきた政策にもかかわらず、「国民的議論」を聞くこともなく、存廃の行方が決められることになりそうだ。

問題点を報じた紙面

こんな重要テーマを除外?

 意見聴取会を担当するエネルギー・環境会議(エネ環会議)の担当者は「核燃料サイクルについても意見を言ってもらっていい」と話すが、会場での発言者は、0%、15%、20~25%とする三つの原発比率の選択肢に関して発言することになっている。
 核燃料サイクルをめぐっては、原子力委員会が三つの比率に対応する形で、使用済み核燃料を地中に埋設処分(直接処分)するのか、再処理するのかや、高速増殖炉の研究開発は続けるのかどうか、考え方を示した。
 ただ、エネ環会議では「参考にはしたが、ほかの選択肢もありえる」として、意見聴取会に示す案からは、原子力委の考え方を外している。
 古川元久国家戦略相は「原発比率が決まれば、(核燃料サイクルも)遠くないところで決定する」と明言しているが、国民的議論を聞くことは予定していない。
 政府内では、意見聴取会など公開の場で不用意に核燃料サイクル問題を持ち出し、現行施策の維持を強く主張する青森県との関係がこじれることを心配する声が聞かれる。
 そうした思惑から、国民的議論から核燃料サイクルを外すことになったとみられるが、日本の原子力政策の重要な一つが、ほとんど検証されないまま決まっていいのか、問題になりそうだ。(桐山純平)

討論型世論調査 中立運営目指す 実行委が方針説明

 将来の原発比率などエネルギー選択に関して国民の意見を聴く政府の「討論型世論調査(DP)」について、運営主体となる実行委員会(委員長・曽根泰教慶大大学院教授)が十二日、具体的な進め方を説明した。政府が示した三つの選択肢をそのまま引用はせず、「多角的に質問して意識の変化を捉えたい」とした。
 実行委のほかに、エネルギー問題の識者を集めた専門家委員会、DPを考案した米スタンフォード大教授らによる監修委員会などを設置し、質問状や討論会で提供する資料の内容、手法についてチェックを受ける。さらに実行委とは独立した第三者組織が全ての過程を検証し、中立運営を目指すとした。
 曽根教授は「討論資料などは独自に作り、内容についても政府に口出しはさせない」と話している。

関連記事