エネ環意見聴取会 「国民の声聴く気ない」 議論進め方批判次々 参加者の訴え遮り閉会

 これが政府が言う「国民的議論」の場なのか-。将来の原発比率を決めるため、十四日にさいたま市で始まった政府のエネルギー・環境会議の意見聴取会は、抽選で選ばれた九人以外の発言は認めず、政府への質疑もないまま二時間足らずで閉会した。「政府は国民の声を聴く気がない」。事前登録した約百七十人の参加者からは、議論のあり方に厳しい批判が相次いだ。(鷲野史彦、小野沢健太)

意見聴取会の会場入り口でボディーチェックを受ける参加者=14日午後、さいたま市で

会場入り口には金属探知機

 「傍聴の皆さんもご意見をアンケートに記入いただいてお帰りいただければとお願い申し上げます」
 枝野幸男経済産業相が閉会のあいさつを終えると、傍聴していた埼玉県川口市のNPO法人代表、浅羽理恵さん(47)が立ち上がって叫んだ。
 「すいません! 今回の進め方について一つ…」。ところが、発言を始めるとすぐに司会者が遮った。「本日は選ばれた方のみにご意見をいただくことになっております。発言はご遠慮願います」
 打ち切り宣言に「ふざけんな。聴いてやれ」と会場に怒声が響いた。だが、枝野氏は「今回は決めさせていただいた運営方法でやらせていただきたい」とそのまま閉会した。
 「国民的議論というなら、参加者がどの選択肢を支持しているのか公表してほしかったし、会場からも声を拾うべきだ」。原発0%を推す浅羽さんは「運営にすごく疑問を感じた」と語った。
 ほかの参加者からも議論の進め方に疑問の声が相次いだ。東京都台東区の会社員越田史子さん(34)は「原発が必要と思う人は経済性の話をし、脱原発の人は命の話。論点がかみ合っていなかった。意見交換しないと、溝は埋まらない」。
 渋谷区の法科大学院生、幸(さいわい)裕子さん(31)も「国民の声を聴くアリバイ工作という感じ。国民的議論はせめて半年ぐらいは必要」と、八月に決めようとする政府を批判した。
 会場には埼玉県警の警察官のほか、民間の警備員十人以上が配置され、入り口には臨時の金属探知ゲートが据えられた。参加者はポケットの中のライターやペンなど金属製品はすべて出させられ、カバンの中ものぞき込んで徹底的にチェックされた。飛行機のセキュリティーチェック並みの厳重さで、物々しい雰囲気に包まれた。
 品川区の会社役員林彰一さん(51)は「きちんと会場の意見を聴けば、政府の印象も良くなるはずなのに、いい機会を逃している。政府は民衆をすごく怖がっている」と話した。

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