原発周辺住民に電気代給付 天下り法人なお独占 「公募」効果なし仕組み見直さず

 原発が立地する地域の住民らに、電気代の一部として一定額を給付する制度をめぐり、経済産業省は昨年度から、財団法人「電源地域振興センター」(東京都)に給付業務を請け負わせる規定をなくしたのに、依然として振興センターの独占受注が続いていることが本紙の調査で分かった。住民への給付の実務は電力会社が担っており、第三者を介在させる仕組み自体を見直す必要がありそうだ。(桐山純平)

理事長は経産省OB

 振興センターは一九九〇年に設立され、歴代理事長などに元中小企業庁長官らが就任するなど、経産省OBが天下ってきた。給付業務はセンターの主要な事業で、二〇一〇年度決算では約三千八百万円の利益を得ていた。
 給付の原資は消費者が支払う電気料金の一部で、国から原発などが立地する道県へ、道県からセンターへと流れ、形の上ではセンターが住民への給付を担っている建前になっている。だが、振り込みなどの実務は電力会社に丸投げに近い状態で、センターが中抜きしているとの批判もある。
 この問題を本紙が一一年九月に報じたのを受け、枝野幸男経産相(当時)は、業務を受注できるのは公益法人に限定するとの運用規則の見直しを指示。原発関連施設が立地する十五道県は一二年度から、受注業者を公募している。
 本紙が十五道県に現状を取材したところ、いずれも業務はセンターが受注。センター以外に応募した団体や企業もなかった。
 東京電力柏崎刈羽原発がある新潟県の担当者は「業務が特殊で、経験があるセンターしか応募しにくいのでは」と推測。経産省資源エネルギー庁の担当者は「事業者の選定は自治体に任せている」と話した。
 センターの担当者は「今は完全公募になっており、私たちは一事業者として応募しているだけ」と説明した。
 ただ、給付の実務は電力会社が担っており、電力会社が直接支払う仕組みにすれば余分な費用も不要になる。
 「(法人が)特定規模電気事業者(PPS)から電気を買っている場合もあり、調整が難しい」(東京電力の担当者)との声もあるが事例はわずかで、大半は電力会社と契約している。給付額も一定なのに、まだ仕組みを見直す機運はない。

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