原子力委員と密接NPO 核ごみ広報下請け独占 エネ庁など発注6年 2団体 元請け違っても継続 

 経済産業省資源エネルギー庁と原子力発電環境整備機構(NUMO(ニューモ))が、使用済み核燃料を再処理した後に残る高レベル放射性廃棄物の最終処分場問題をめぐる広報事業で、不明朗な契約を続けていたことが分かった。核のごみ問題への理解を深めてもらうため参加者が討論するワークショップ形式だが、元請けが変わっても、原子力と関わりの深い特定のNPO法人が下請けとなっていた。

 本紙は、ワークショップ事業が始まった二〇〇七年度以降、六年間の契約状況を、情報公開請求や関係者取材によって調べた。
 その結果、事業の元請けとなる広告代理店などは、入札や企画競争などで決められ、年度によって変わっていたものの、ワークショップの企画・運営に協力する下請け団体はいつも同じという不明朗な状況が続いていた。元請けの契約金額はワークショップの事業規模などによって異なり、年度当たり千五百万~四千七百万円。
 エネ庁の事業は、NPO法人「持続可能な社会をつくる元気ネット」(本部・東京都新宿区)、NUMOは「あすかエネルギーフォーラム」(本部・東京都中央区)が下請けとなっていた。
 エネ庁とNUMOによると、どの団体を下請けに使うかは元請けの広告代理店などの判断に任されていたが、入札時に企画内容を提案する際、どの団体が下請けとなるかも提示させていた。
 エネ庁とNUMOに同じ団体が下請けとなってきた理由を本紙がただすと、ともに「委託先(元請け)は、提案が優れたものを選んだ。同じ下請けが続いているのは、あくまで結果的にそうなっただけ」などと強調した。

NUMO職員が最終処分の方法について説明したワークショップ=2月9日、福岡市で

NPO「ほかに同レベルの仕事できる団体ない」と反論

 両NPOの事業報告書などによると、ワークショップの下請けにより毎年数百万円の利益が出て、団体の重要な活動資金源になっているとみられる。両NPOともに原発推進の総本山となってきた原子力委員会の元委員や委員を顧問に迎えている。元気ネットは元委員の松田美夜子氏(71)、あすかは現委員の秋庭悦子氏(64)がそれぞれ顧問を務めている。
 核のごみの最終処分問題は、原発の存廃にかかわらず、いずれは解決しなければならない問題。ただ、ワークショップという同じ形式の事業が、国と電力会社でつくる団体で重複している上、効果があるのか十分検証もされていない。開催費用は、消費者が負担する電気料金が原資となっている。
 本紙の取材に対し、元気ネットの松田氏は「下請けが続いているのは公正な競争に勝った結果。同じレベルの仕事ができる団体があるなら引き継ぎたいが、国が育てようとしていない」と主張。あすかの秋庭氏は「NPO法人にも個別の信念がある。推進派の隠れみのだと指摘されるなら、もっと原発に肯定的な立場を明らかにしていきたい」と話した。

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