チェルノブイリ鋼鉄の覆い 原発事故 石棺老朽化で設置 工費1800億円、耐用100年

29日、原発の上への移動作業を終えた新シェルター=栗田晃撮影、いずれもウクライナ・チェルノブイリで

 【チェルノブイリ(ウクライナ北部)=栗田晃】30年前に爆発事故を起こしたウクライナのチェルノブイリ原発4号機を覆う鋼鉄製の新シェルターが29日、設置された。これまで4号機を囲っていたコンクリート製の石棺は老朽化が激しく、アーチ形の鋼鉄シェルターですっぽり覆うことで、放射性物質の漏出を防ぐ。
 現地ではウクライナのポロシェンコ大統領や欧州復興開発銀行(EBRD)の幹部らが出席し、完了式典が開かれた。日本からは角茂樹・駐ウクライナ大使らが列席した。
 EBRDによると、新シェルターは幅257メートル、高さ108メートルで、重さは3万6000トンに上る。地上建造物としては世界最大規模で耐用年数は100年。事故半年後に急造された石棺を補完するため、4年前に建設を始め、今月中旬から油圧ジャッキを使って移動作業を進めていた。
 総工費は15億ユーロ(約1800億円)。EBRDはじめ欧州連合(EU)の各国、日本、米国、ロシアなど40カ国以上が負担した。建設作業が大幅に遅れて工費も膨らみ、EBRDのノバク・原子力安全局長は「前例がなく全ての段階が難工事だった」と話した。今後、鋼鉄シェルターの密閉作業を始め、来年11月に完工。2023年までにコンクリート製の石棺を取り外した後、溶解した核燃料の除去を進めるが、作業は困難を極めそうだ。

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