汚染地下水 大雨で急増 福島第一

 東京電力福島第一原発では、相次ぐ台風による大雨で、護岸に近い敷地の地下水が急激に増加した。現場は連日、放射性物質の混じった地下水が海に流れ出さないよう護岸際の地下水ドレン(井戸)から水をくみ出し、建屋に移送する作業に追われている。(山川剛史)

大雨で上昇した地下水の状況を確認する作業員(東電提供)

流出防止に追われ、廃炉の足かせに

 特に厳しかったのが台風16号。二十日ごろから地下水位が急上昇し、翌二十一日午前七時前、井戸の水位は地表ぎりぎりにまで達した。地下水に含まれる放射性物質の濃度は、建屋地下にたまる高濃度汚染水とは比べものにならないほど低いが、過去には放出基準(放射性セシウム137は一リットル当たり九〇ベクレル)を上回ったこともあった。
 今回は濃度を測定してから対応していると、井戸から水が噴き出し、海に流れ出す恐れがあった。このため東電は、井戸の周りに土のうを積み、井戸の仮設ポンプをフル稼働。さらにはバキュームカー四台も動員して移送作業を続けた。
 いったん水位は下がったものの、二十一日夜になると再び地表ぎりぎりまで上昇し、二十二日もくみ上げ作業は続いている。雨が降った数日後に水位のピークが来ることが多く、雨がやんだ後も気を抜けない。ただでさえ建屋に地下水が流入し、建屋地下の高濃度汚染水の水かさが増えて廃炉作業の足かせになっているのに、大量の移送も加わることになる。
 東電も、雨が地中に染みこまないよう土の部分は徹底的に舗装し、1~4号機周囲には氷の壁で囲う凍土遮水壁を設けるなどしたが、いずれも十分に機能していないとみられる。

関連記事