本紙が実走して測定 福島・飯舘村の放射線量は<福島第一原発事故10年>

東京新聞こちら原発取材班(2021年1月27日)

 東京電力福島第一原発事故から10年後の放射線量マップシリーズの締めくくりは飯舘村。原発からほぼ30キロ以上離れているものの、北西方向に流れた膨大な放射性物質が、雨と雪で村の全域に落ちて沈着した。
 調査は雪が降る前の昨年11月に実施。帰還困難区域の長泥地区は、降雪や許可の問題で調査できておらず、昨年夏に入った際の測定記録を参考として載せた。
 飯舘村では、線量を下げる目的で、除染とは別に舗装をやり直す工事を全村的に実施。その効果もあって、避難指示が解除されて間もない3年前と比べると全般的に線量は下がった。村役場周辺や道の駅など毎時0.2マイクロシーベルトを下回る地点が増えた。ただし、民家が集まっていない地区や未除染の山が迫る地区では、あまり線量に変化はなかった。低線量の地区でも、山に近づくと線量が急上昇する地点がいくつも確認されている。
 長泥地区では、早期の避難指示解除を目指す特定復興再生拠点区域(復興拠点)で除染や家屋解体が進む。昨年夏の取材では、線量低減を確認したが、それでも毎時1マイクロシーベルト超の地点が多く、浪江町境では路上で2.6マイクロシーベルト、脇の林の中で4マイクロシーベルト超あった。(山川剛史) 

これまで3回実施した実走調査の全体像

 立ち入り可能な範囲が増えたことを受け、本紙はこれまで3回、低速の自動車走行による放射線量調査を実施してきた。全体像を報告する。
 各回とも走行距離は2000キロ超。調査範囲は自動車で行ける場所に限られるが、東京電力福島第一原発から北西に向け、何本かの高線量の筋がはっきりと確認できる。
 除染や家屋解体、風雨、年月による放射能の低下など様々な要因で線量が低下してきたのは事実。しかし、早期の避難指示解除を目指す特定復興再生拠点区域(復興拠点)も含め、状況はまだまだ厳しい。既に解除された自治体でも大なり小なり原発事故の影響が残っている。(山川剛史)

飯舘村での調査の様子や、住民の”モニじい”こと伊藤延由さんへのインタビュー

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