ふくしまの10年 地図に残してはいけない仕事⑥ 信頼裏切った収賄事件

除染を巡る汚職事件で環境省福島環境再生事務所の支所に家宅捜索に入る捜査員

 福島県内の大規模除染工事のほとんどを大手ゼネコンが受注する。そして発注は、環境省本省ではなく、福島環境再生事務所(現福島地方環境事務所)が担っていた。
 国直轄の除染がほぼ完了しようとしていた2017年3月、同事務所の男性職員=当時(56)=が、福島県警と警視庁に収賄容疑で逮捕された。
 富山県の土木建築業者から浪江町での大手ゼネコンの共同企業体が470億円で契約した除染作業の下請けに参入させる見返りに接待を受けた、というものだった。原発事故の除染を巡る贈収賄事件は全国で初めてだった。
 「除染などの推進には県民の理解が必要。その信頼を裏切った。警察の捜査に全面的に協力したい」。除染のリーダーだった小沢晴司さん(59)は「福島環境再生副本部長」という肩書で、事務所長らと福島県庁で記者会見に出席することになった。頭を下げて謝罪し、その後の対応などについてコメントした。
 「会見の直前に、福島市と逮捕された職員が所属する南相馬市の事務所に家宅捜索が入ることが分かったんです。関係書類や電子データの押収、関係職員の事情聴取が行われたことは後で知りました。それは、ものすごく不安になりましたよ。それまで信頼関係を築いてきた福島県の地元の方、他省庁、大臣ら幹部のことも頭に浮かびました」  

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