ふくしまの10年 イチエフあの時 事故発生当初編 ②道ふさぐ巨大タンク

津波で流され、道をふさぐ重油タンク(東電提供)

 東京電力福島第一原発(イチエフ)を襲った津波は、護岸近くに置かれた重油タンクも襲った。約200㍍山側の1号機原子炉建屋脇まで押し流した。直径約12㍍、高さ9㍍もある大きなタンクで、高台から海側敷地に抜ける道を完全にふさいでしまった。
 「こんな大きなタンクが津波に流されるなんて…」。大震災当夜、仲間と車で敷地内を回ったベテラン作業員のハッピーさん(通称)は、その光景をにわかに信じられなかった。
 回り道をして5、6号機の方に向かうと、今度は倒れた送電線の鉄塔が道路をふさいでいた。別の道路では津波で押しつぶされた何台もの車が行く手を阻んでいた。衝撃の連続だった。
 流された重油タンクがふさいだ道は、1~4号機の海側敷地に出る主要ルート。タンクを撤去しようにも大きなクレーンが必須で、原子炉冷却など緊急対応すべき難問は山積していた。撤去は、現場の状況がある程度落ち着いた6月末になってからだった。
 重油タンクや車両、がれきがあちこちで道をふさいでいる。工具や資材を運ぶにも車での移動は難しく、人力での作業が続いた。
 建屋内への出入りも困難を伴った。タービン建屋がある海側からはがれきが邪魔で入るのが難しく、やむを得ず高線量の山側から入っての作業が続いた。


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