ふくしまの10 年 新天地にそよぐ風 ⑦「芸術家村」をつくれたら

自らがデザインした「ならは散策(ぶらぶら)マップ」を手にする森亮太さん=楢葉町で

 森亮太さん(29)は立命館大学を卒業後、一度は楢葉町が出資する宿泊温泉施設の職員となったがほぼ1年で退職。現在はフリーランスのグラフィックデザイナーとして、パンフレットつくりなどを請け負っている。町で見かける楢葉町のガイドマップも彼の作品だ。
 一方で、復興庁が主催する「復興・創生インターン」で学生たちの指導役も勤めている。同インターンは学生が被災地に入り、約1カ月間の共同生活を送りながら、現地の起業家らと就業体験を積むプログラム。
 今年の夏は新型コロナの影響でオンラインでの実施となったが、21人の学生が参加している。インターネット回線を通じてのやりとりは難しいかと想像していたが、思った以上に学生たちの熱気が伝わり、やりがいを感じるという。
 「普通なら海外留学を目指すような学生が、渡航できないために福島などの被災地で経験を積もうとしています。優秀な人材がどんどん入って来ています」
 また、森さんは楢葉町の地域おこし協力隊にも登録し、自分自身で起業する道を模索する毎日だ。
 震災後にJRいわき駅前に復興商店街「夜明け市場」をつくった若い起業集団「タタキアゲジャパン」の存在が、よい刺激、よい目標になっているという。
 「美術、音楽、文学などのアーティストが滞在して交流し、刺激を与えあうようなアーティストレジデンス(芸術家村)を作れたら楽しいなと思います。僕は、そのためのつなぎ役になりたい」と夢を語った。

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