ふくしまの10年 コットン畑は紡ぐ ⑭栽培担当、頼もしい同級生

コットン1万株を育てる金成清次さん=いわき市で

 福島産のオーガニックコットン(有機栽培綿)の製品づくりをビジネスとして成立させる。酒井悠太さん(37)が昨年作った株式会社「起点」で、中学高校の同級生の金成(かなり)清次さん(38)は栽培担当の取締役として一緒に会社を担う。
 2011年3月の東日本大震災の時には飲食店で働いていた。震災で店が休業となったため、津波で大きな被害が出た久之浜地区で家の片付けなどのボランティアをした。コットン栽培を広めようとしていたNPO法人理事長の吉田恵美子さん(63)から声を掛けられ12年から栽培を始めた。
翌年、コットンの製品化などを手掛ける、いわきおてんとSUN企業組合の設立時に、社員になってほしいと頼まれた。当時、昼はボランティア、夜は飲食店、そのほかにカメラマンのアシスタントなどもしていた。自分には社員は無理だと思い、誘ったのが酒井さんだった。
 「起点」に合流したのは今春。「地元の広告店に仕事が来なくなり、カメラマンの仕事も少なくなっていたんです」。広告宣伝が、紙媒体からウェブに移行していく中で、規模の大きな代理店に仕事が集中するようになったという。
 心機一転して働く「職場」は、1万株のコットンが育つ畑。機械を導入し、効率的な方法を模索する。「今年はこのサイズでトライして、また新しい畑を借りようと思っている」。候補地はいくつか探してある。
 有機認証も受けたいと考えている。日本の認証機関では綿花を対象としているところはないが、米国にはあるという。金成さんはオーストラリアの大学に留学していたので、英語でのやりとりに支障はない。
 世界でオーガニックコットンとして勝負したい。畑の面積とともに、夢は広がっていく。

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