ふくしまの10年 雪が落とした災い ⑧避難説明会 不安ばかり

国の全村避難決定を受けて開かれた村民説明会(豊田直巳さん提供)

 最悪レベルの原発事故からちょうど1カ月後の2011年4月11日、政府は飯舘村を「計画的避難区域」に指定し、1カ月ほどの間に全村避難させる方針を決めた。
 政府決定を受け、村は13~16日、村内6カ所で住民説明会を開いた。
 「私らと何の関係もない原発の事故が起き、運悪く私たちの村に放射能が少したまってしまった。何もちょうど事故の1カ月後でなくてもいいのに、計画的避難が発表されました」。菅野典雄村長はこうあいさつした。
 住民に配られた資料には、村に住み続ければ翌年3月までの1年間に、一般人の年間被ばく線量限度(1ミリシーベルト)の10~61倍の被ばくをするとの推定値が記されていた。 ただし、この程度の被ばく線量ならば「健康への影響はない」とも記されていた。
 説明会は冷静な雰囲気で進んだものの、「大きな問題はない」と聞かされ、事故後1カ月も村で暮らしている住民の動揺は大きかった。
 「特に子どもたちへの対応が遅い。安全安心と聞かされてきたのになぜ避難なのか」
 「避難しろと言われても、飼育している牛たちをどうするんだ」
 「避難は何年続くのか。腰掛け的な避難は不安だ」
 さまざまな質問が出たが、菅野村長は「自分の責任で答えられれば楽ですが、残念ながら申し上げられない。できるだけ早く帰れるようあらゆる手段を尽くします」。こう答えるのがやっとだった。

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