政府、石炭火力の輸出厳格化 脱炭素化進める国など条件絞る

 政府は7月9日、経協インフラ戦略会議(議長・菅義偉官房長官)を開き、石炭火力発電所の輸出に対する公的支援の要件を厳しくすることを決めた。今後は、輸出先の相手国が脱炭素化を進めることを条件とし、支援対象を高効率の石炭火力に絞る。(石川智規)
 政府は、既に決定した国内の非効率石炭火力の休廃止方針と合わせ、今回の輸出要件の厳格化で国際社会の理解を得たい考え。だが、石炭火力の廃止方針があるドイツなどの各国に理解が広がるかは見通せない。

経協インフラ戦略会議であいさつする菅官房長官=7月9日午後、首相官邸

 現在、政府の石炭火力輸出の支援は「安い石炭を選択せざるを得ない国」や「日本の高効率石炭火力への要請がある」など、4つの要件を定めている。
 この日の会議では、相手国が脱炭素化に向けた日本の考えを把握していない場合は、原則支援しない方針を明記した。さらに、インフラ輸出に当たっては、石炭火力にとどまらず、再生可能エネルギー設備の提案や政策支援も行う方針に改めた。
 その上で、石炭火力の輸出を支援する場合は「相手国が脱炭素化に向けた行動変容を図る」ことを条件化。さらに、支援の対象となる石炭火力の設備は「発電方式が(極限まで石炭を燃やして高温・高圧でタービンを回す)超々臨界圧以上で、かつ発電効率が43%以上」「わが国の最先端技術を活用したトップクラス」などと高効率型に絞った。
 梶山弘志経済産業相は会議後の記者会見で、今回の決定について「脱炭素化の潮流の中、どう世界に貢献するか正面から取り組む必要がある」と述べた。

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