東電 テレビ会議映像公開 原子炉損傷 直後に認識 原発事故 現場が水棺提案

 東京電力が福島第一原発事故の発生からわずか一日半後の昨年三月十三日未明には、核燃料が溶融しているだけではなく、原子炉が損傷した可能性が高いと認識していたことが分かった。これでは冷却水が漏れて核燃料が水に浸らないため、外側の格納容器を水で満たし原子炉ごと水没させる「水棺」で対応することも、この時点で検討していた。東電が六日に公開した、本店と福島第一などをつなぐテレビ会議のやりとりから判明した。

テレビ会議録画映像(東京電力のホームページに飛びます)

ようやく公開

 映像は昨年三月十三日午前一時ごろのもの。当時は消防車を使って1号機の原子炉へ注水を続けていたが、核燃料は十分に水に浸っていなかった。
 そうした状況を踏まえ、福島第一の社員が、原子炉から格納容器に「水が流れるラインが形成されている可能性が高い」と、原子炉に穴が開き、核燃料が水に浸っていない原因となっていると指摘。この危険な状況を改善するため、水棺を考えていると発言した。
 ただし水棺にすると、格納容器内にたまった水の温度が核燃料の熱で上がり、最終的には熱の逃がし場がなくなる可能性があり、本店に意見を求めた。
 本店社員は「(水棺は)ほとんど想像したことがない」と返答。水位が上がらない原因について、原子炉や原子炉につながる配管に穴が開いた可能性とともに、水位計が故障した可能性を挙げた。
 水棺はその後、東電や政府内で本格的に検討された。効果への疑問や、水を張った格納容器の耐震性への懸念もあったが実施。だが、今度は格納容器の下部から大量の高濃度汚染水が漏れていると分かり、断念。建屋地下にたまった汚染水を浄化して原子炉の冷却に再利用する循環注水冷却に切り替えた。
 テレビ会議映像をめぐっては、東電は社員のプライバシーを理由に公開を拒み続けてきた。報道機関が再三にわたり公開を求め、今年六月には株主代表訴訟で株主側が映像の証拠保全を申し立てた。枝野幸男経済産業相の行政指導もあり、一部の公開に至った。動画データの一部は東電が報道機関に提供した。

関連記事