灰や腐葉土は使って大丈夫? 福島・飯舘村でジャガイモを実験栽培

 野焼きなどで出た灰や、野山で大量に出る落ち葉は、古くから豊かな土づくりに活用されてきた。ただし、東京電力福島第一原発事故で汚染された地域では、灰や落ち葉に放射性セシウムが含まれ、不用意に農地で使えば作物を汚染させる懸念もある。そのリスクを、飯舘村の伊藤延由さん(76)と検証した。 (山川剛史)

 検証では、芽に毒があるため、イノシシに食い荒らされにくいジャガイモを使った。市販の培養土に汚染灰の量を変えて調合した土、村内の林で取った腐葉土や元農地の土など7種類で育て、ジャガイモにセシウムが移行するかを試した。灰に含まれるセシウムは、水に溶けやすい状態で存在することが知られている。汚染灰入りの土では、灰の多さに比例し、ジャガイモが汚染されていた。一方、畑だった土はそれなりに汚染されていても、ほとんど作物の汚染はなかった。
 予想外だったのが腐葉土。「土だから、高濃度でも移行は少ないだろう」と予想していたが、ほぼ汚染灰入りの土と同じようにセシウムが移行していた。
 森敏東大名誉教授(植物栄養学、土壌学)は「畑などの土では、セシウムは土の粒子に固着し、根から阪い上げられることはほとんどない。腐葉土は、土のように見えるが、落ち葉が分解される途中のもの。根は容易にセシウムを吸い上げてしまう」と指摘。
 放射能汚染が残る地では、灰や落ち葉を使った循環型農業は厳しい状況にあることを、あらためて認識させられた。

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