【解説】継続審議で議論深めよ 東海第二再稼働賛否問う県民投票条例案

 東海第二原発の再稼働の賛否を問う県民投票は、茨城県議会の過半数を押さえる最大会派のいばらき自民が反対の意思を示したことで、実現が大きく遠のいた。
 条例案審議のヤマ場となった6月18日の連合審査会。自民県議らからは県民投票の実施に後ろ向きな声が相次いだが、その多くは説得力を欠くと言わざるを得ない。
 例えば「二者択一では多様な意見をくみ取れない」(石塚隼人氏、坂東市・五霞町・境町)というもの。だが、大井川和彦知事が再稼働について判断を求められた際の意思表示は「同意」か「不同意」しかあり得ない。もちろん県民の意見を聞く前提として、十分な判断材料の提供が重要なのは言うまでもない。
 石井邦一氏(常陸太田市・大子町)らからは、安全性の検証や事故に備えた避難計画策定が進んでいないとして、県民の意見を聞く段階ではないとの「時期尚早論」も聞かれた。
 しかし、条例案は投票の実施時期を「知事が再稼働の是非を判断するまでの期間において知事が定める」とし、具体的に定めていない。条例を成立させた上で「県民の意見を聞く段階」が来るのを待てば済む。
 知事が条例案の提出時に、県の投票事務に関する規定に不備があると指摘したことを巡り、「瑕疵(かし)ある条例案を可決するのは難しい」(戸井田和之氏、石岡市)との指摘も。それなら議会が修正案を検討するのが筋だろう。急いで否決する必要があるのか。
 条例案が練られていないと考えるなら、実質的な審議をたった1日の連合審査会で終わらせてはならない。次回定例会に繰り越して議論を深めるため、23日の本会議では「継続審議」を議決すべきだ。県民8万6703人が署名した重みをかみしめてほしい。(宮尾幹成)

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