未除染でも避難解除、政府が検討 原発事故の帰還困難区域

 東京電力福島第一原発事故に伴う帰還困難区域について、除染をしていない地域でも放射線量が年間20ミリシーベルト以下の場合に避難指示を解除できるよう、政府が検討していることが分かった。菅義偉官房長官は6月3日の記者会見で「地元の意見を丁寧に聞きながら、解除要件の見直しも含め、しっかりと検討したい」と認めた。

 原発事故で出された避難指示を解除する要件として、政府は①線量が年間20ミリシーベルト以下に低下する②インフラ整備や除染の進展③地元との十分な協議-などを定めている。政府関係者によると、線量や地元協議に関する要件は維持する一方、除染しなくても解除できる枠組みを検討しているという。
 除染せずに解除した場合の安全性を確認するため、今後、原子力規制委員会に諮る見通し。
 菅氏は会見で、与党から5月28日、住民の安全確保を前提に、現状の枠組みにとらわれず新たな避難指示解除の仕組みを早急に構築するよう申し入れがあったとも明らかにした。
 帰還困難区域の一部では、住民の居住再開に向け除染やインフラ整備を進める「特定復興再生拠点区域(復興拠点)」を設けて解除を目指している。だが、それ以外の地域について、政府は除染や解除の方針を示していなかった。
 福島県飯舘村は、村内の帰還困難区域全体を一括で解除してほしいと国に要望。除染をしなくてもいいとの意向を示している。
 一方で、同区域を抱える他の地元自治体には、国による除染を求める意見が根強い。政府は最終的に帰還困難区域全域の避難解除を掲げている。(共同)

関連記事